J-REITの魅力の一つは、高い分配金利回りにあると考えられています。J-REITがスタートした当初には年間5%程度の利回りが期待されていました。実際に、2001年から2003年3月までの分配金利回りは5%を上回る水準で推移しました。ファンド数は10本未満、時価総額も1兆円を下回っていたこの時期は、J-REITの黎明期であり、J-REITがあまり投資家に認知されていなかった時期でもあります。
その後、ファンド数も増加する中、J-REITの人気が徐々に高まり、分配金利回りも徐々に低下しました。その結果、分配金利回りは2006年前半までは3.5~4%台の間で推移しました。しかし、2006年7月に4.03%を付けた後に急落に転じ、2007年5月には2.6%と過去最低を記録しました。この時期はファンド数の増加やJ-REITの多様化などが見られ、J-REIT人気が高まった時期でもあります。
しかし、2007年5月以降、一転して分配金利回りは上昇に転じました。米国サブプライムローン問題、2008年のリーマンショックの影響などにより、それまでの高騰への大幅な調整が入り、J-REIT価格及び時価総額は急落しました。これを反映して、分配金利回りは2009年2月には過去最高の7.96%に達しました。
2019年10月末日現在、J-REIT全体の平均予想分配金利回りは約3.42%ですが、ファンドによりかなりのばらつきがあります。財務状況などによる選別が厳しくなり、ファンドの人気に格差が生じ、それを反映して分配金利回りにも差が生じています。
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