フロンティア市場とは?


フロンティア市場とは

フロンティア市場とは、一般に、発展途上国の中で、金融市場は存在しているものの、その市場規模が新興諸国よりも小さく、流動性が低い市場のことを指します。近い将来において新興市場の仲間入りが期待できそうな国々であり、次世代の新興市場と目されている国々の市場です。

【フロンティア諸国・市場のイメージ】

より発展している←経済・金融市場→発展がより遅れている

先進国――――発展途上国(新興国―フロンティア(frontier)―後発開発途上国等)

 

指数会社によるフロンティア市場の定義

フロンティア市場については、金融市場において統一された定義があるわけではありませんが、指数会社などが独自に定義してフロンティア市場の株価指数を算出・公表しています。

例えば、世界的な指数算出会社であるMSCI社では、「MSCI フロンティア・マーケット・インデックス」というフロンティア市場諸国の企業の株価動向を示す指数を算出・公表しています。

同社では、フロンティア市場諸国を、新興市場諸国の中でも、国が小さく、未成熟で流動性が低い国のこととしており、「MSCI フロンティア・マーケット・インデックス」はその条件に合った31カ国の株式で構成されています。構成国は次の通りです。

アルゼンチン、ジャマイカ、トリニダード・トバゴ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、エストニア、リトアニア、カザフスタン、ルーマニア、セルビア、スロベニア、ウクライナ、ボツワナ、ケニヤ、ガーナ、モーリシャス、モロッコ、ナイジェリア、チュニジア、ジンバブエ、バーレーン、ヨルダン、クウェート、レバノン、オマーン、パレスチナ、バングレディッシュ、パキスタン、スリランカ、ベトナム(出所:MSCI HP、2015年10月5日現在)

同じく世界的な指数算出会社であるS&P社も、フロンティア市場を対象とした「S&P Frontier Broad Market Index」を算出していますが、同株価指数の定義は、新興諸国の地位に達していない34の小規模かつ流動性の低い市場であり、同指数は34カ国の500以上の銘柄で構成されています。構成国は次の通りです。

アルゼンチン、ジャマイカ、トリニダード・トバゴ、ナイジェリア、ブルガリア、クロアチア、エストニア、リトアニア、パキスタン、モロッコ、バングラディッシュ、ヨルダン、オマーン、ベトナム、ケニヤ、ルーマニア、バーレーン、クウェート、パナマ、レバノン、スリカンカ、モーリシャス、カザフスタン、スロベニア、コートジボワール、ボツワナ、チュニジア、ウクライナ、エクアドル、ガーナ、ナミビア、キプロス、ザンビア、スロバキア、ラトビア(出所;S&P factbook, 2015年9月)

 フロンティア市場・フロンティア諸国と呼ばれる国々は、各国の経済発展の状況によりその顔ぶれも変化していきます。また、特定の地域のフロンティア市場の場合、欧州フロンティア市場、アジアフロンティア市場といった呼び方をします。

 

フロンティア市場を対象とするETFの登場

フロンティア市場を対象とするETFiシェアーズ フロンティア株ETF(MSCI フロンティア100)(1583)」が、2013年7月17日に東京証券取引所に上場しました。同ETFは、フロンティア・マーケットの主要100銘柄の株式で構成されている指数である「MSCI フロンティア・マーケット 100 インデックス(税引後配当込み)」への連動を目指すETFで、ブラックロック社が運用しています。