JPX 日経中小型株指数
JPX 日経中小型株指数は、日本の中小型株の動向を表す株価指数の一つです。JPX日経中小型株指数は、東京証券取引所の第一部、第二部、マザーズ、JASDAQに上場している銘柄の中から時価総額、売買代金、ROE等を基に原則200銘柄を選定し算出されています。
一般的な中小型株指数が、時価総額と流動性に基づいて銘柄を選択するのに対し、JPX 日経中小型株指数は、時価総額や流動性に加えて、持続的な企業価値の向上、株主を意識した企業経営を行っている企業という観点で銘柄を選択します。指数の算出会社である東京証券取引所と日本経済新聞社ではこのような企業を「投資者にとって投資魅力の高い会社」であると考え、この投資者にとって投資魅力の高い中小型株で構成されているのが JPX 日経中小型株指数ということになります。
持続的な企業価値の向上や株主を意識した企業経営とは?
JPX 日経中小型株指数では、持続的な企業価値の向上や株主を意識した企業経営がなされているかどうかをROE(自己資本利益率)と累積営業利益に加え、独立した社外取締役が選任されているか、決算短信が国際財務報告基準に基づいて作成されているか、決算情報や「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」が英文で開示されているかという定性評価も加えて判断しています。
- ROE(自己資本利益率)・・・EORは、会社が自己資本(株主資本)をどれだけ有効に活用して利益を上げているかを示す指標です。ROE=当期純利益÷自己資本で求めます。JPX日経中小型株指数では、3年平均ROEが判断基準の一つとして利用されます。
- 累積営業利益・・・営業利益は企業が本業から得た利益のことで、JPX 日経中小型株指数ではこの営業利益を3年累積したものを判断基準の一つとして利用します。
- 独立した社外取締役の選任・・・社外取締役のうち独立役員に指定されている人数が取締役の総数の1/3 以上又は3人以上いるかどうかを判断材料とします。
- IFRS 採用 ・・・決算短信が国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards=IFRS)に基づいて作成されている、又は国際財務報告基準を適用する旨の開示を行っているかどうかを判断材料とします。
- 決算情報・「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」の英文開示 ・・・決算情報・「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」に係る英文資料がTDnet(適時開示情報閲覧サービス)の英文資料配信サービスを通じて開示されているかどうかを判断材料とします。
JPX 日経中小型株指数を算出・公表している東京証券取引所と日本経済新聞社では、「JPX 日経中小型株指数」の狙いを次のように示しています。
JPX日経インデックス400で導入した「投資者にとって投資魅力の高い会社」を構成銘柄とするとのコンセプトを中小型株に適用することで、資本の効率的活用や投資者を意識した経営を行っている企業を選定するとともに、こうした意識をより広範な企業に普及・促進を図ることを目指すものです。併せて、こうした企業への投資者の投資ニーズにこたえることを企図しています。また、銘柄選定に際しては、銘柄ごとの市場流動性も考慮することで、新指数に連動した資産運用を可能とするための実務的要請に応えることも目指します。
JPX 日経中小型株指数をベンチマークとするETF
三菱UFJ国際投信が運用する「MAXIS JPX 日経中小型株指数上場投信(1492)」とアセットマネジメントOneが運用する「One ETF JPX 日経中小型(1493)」は、JPX 日経中小型指数をベンチマークとし、同指数に連動する投資成果を目指すETFです。両ファンドとも東京証券取引所に上場しています。