Solactive Japan Green J-REIT Indexとは?
Solactive Japan Green J-REIT Indexは、環境に配慮した物件(不動産)に投資しているリート(不動産投資信託)」で構成される指数です。指数名にある「Solactive」は、指数を算出・公表しているSolactive AG社のことです。
環境に配慮した物件(不動産)とは?
この指数において環境に配慮した物件を決めるのは
- 「認証グリーンビルディング面積」の割合
- 2050年までのネット・ゼロ・エミッション目標またはScience Based Targetsへの取り組みの有無
です。したがって、Solactive Japan Green J-REIT Indexは、東京証券取引所に上場している全てのリートの中から、各リートが保有しているオフィスビル、住居用ビル、商業施設、物流施設などの不動産の「認証グリーンビルディング面積」の割合および2050年までのネット・ゼロ・エミッ ション目標またはScience Based Targetsへの取り組みの有無等を評価し、その評価に基づいて組入銘柄と組入比率を決定します。
グリーンビルディング認証とは
グリーンビルディング認証とは、日本政策投資銀行のグリーンビルディング認証、建築環境総合性能評価システム(CASBEE)、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)等、日本および国際的な認証機関が物件に対して行う環境対策に関する認証のことをいいます。
例えば、日本政策投資銀行のグリーンビルディング認証(DBJ Green Building認証)は、「環境・社会への配慮」がなされた不動産とその不動産を所有・運営する事業者を支援する取り組みとして2011年に創設された認証制度で、ESGに基づく次の5つの視点から不動産を評価しています。
- 建物の環境性能(省エネルギー性能、再生エネルギー、節水対策等)
- 危機に対する対応力(耐震性能、備蓄、警備体制等)
- テナント利用者の快適性(設備仕様、環境、健康配慮等)
- 多様性・周辺環境への配慮(緑化、ユニバーサル対応、育児サポート等)
- ステークホールダーとの協働(対話・啓発活動等)
2050年までのネット・ゼロ・エミッション目標またはScience Based Targetsへの取り組みの有無とは
2050年までのネット・ゼロ・エミッション目標は、日本が2020年に公表した2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」という目標のことです。
一方、Science Based Targetsは、パリ協定(世界の気温上昇を産業革命前より2°Cを十分に下回る水準に抑え、また1.5°Cに抑えることを目指すもの)が求める水準と整合した、5年から15年先を目標年として企業が設定する温室効果ガス排出削減目標のことです。
この「認証グリーンビルディング面積」の割合と2050年までのネット・ゼロ・エミッション目標またはScience Based Targetsへの取り組みの評価に基づいて組入銘柄と構成比率が決定されます。
Solactive Japan Green J-REIT Indexの構成銘柄
Solactive Japan Green J-REIT Index は、2023年9月12日現在、全上場銘柄60銘柄中39銘柄で構成されています。上位10位組入銘柄は次の通りです。
銘柄コード | ファンド名 | 組入比率(%) |
3283 | 日本プロロジスリート投資法人 | 11.73 |
8952 | ジャパンリアルエステイト投資法人 | 9.80 |
8984 | 大和ハウスリート投資法人 | 7.44 |
8951 | 日本ビルファンド投資法人 | 6.30 |
3462 | 野村不動産マスターファンド投資法人 | 4.85 |
8953 | 日本都市ファンド投資法人 | 4.13 |
3281 | GLP投資法人 | 3.98 |
3466 | ラサールロジポート投資法人 | 3.92 |
8972 | ケネディクス ・オフィス投資法人 | 3.56 |
3234 | 森ヒルズリート投資法人 | 3.39 |
(出所:Solactive Factsheet)
Solactive Japan Green J-REIT Indexでは、原則として年2回、指数構成銘柄および構成比率の見直しを行ないます。また、各銘柄の構成比率は15%を上限とし、その上限を超える分に関してはその他の構成銘柄に繰り返し比例配分されます。
→Solactive Japan Green-J-REIT Indexのチャート
Solactive Japan Green J-REIT IndexをベンチマークとするETF
東京証券取引所に上場している「グローバルX グリーン・J-REIT ETF(2855)」はSolactive Japan Green J-REIT Indexへの連動を目指すETFです。運用会社はGlobal X Japan株式会社です。取引所が開いている時間であれば、株式と同様にいつでも売買することができます。売買は1口単位、分配金は年6回支払われます。
このほかの一般に「グリーンリート指数」と呼ばれる環境配慮型のベンチマークには、FTSE EPRA Nareitグリーン・フォーカスJ-REITセレクト・インデックス(配当込み)があります。