S&P/TOPIX 150 ESG指数とは
S&P/TOPIX 150 ESG 指数は、日本の株式150銘柄で構成された株価指数です。指数の構成銘柄はS&P/TOPIX 150 指数と同じですが、銘柄の組入比率の調整において環境・社会・企業統治を考慮したESG評価が採用されています。
具体的には、同じ業種の企業間の組入比率をRebecoSAM社によるESGスコアによって調整しています。なお、業種別の構成比率についてはS&P/TOPIX 150 指数と同水準になるよう設計されています。また、業種分類については、東京証券取引所の業種分類ではなく、GICSの業種分類が使われています。
S&P/TOPIX 150 ESG 指数は、世界的な指数算出会社であるS&P社と東京証券取引所が共同で算出・公表しています。
ESG評価とは何か
ESG評価とは、環境(E:environment)、社会(S:social)、企業統治(G:governance)の観点から企業を評価するものです。評価方法や評価基準は評価会社や機関により異なります。また、評価基準や評価のために収集されるデータ、評価のために調査対象企業に対して行われるヒアリングの質問項目は、業種により異なります。
ESG評価では、一般的には次のような項目が評価対象に含まれますが、実際には極めて多岐にわたる側面が評価の対象となります。
環境
- 環境への配慮
- 二酸化炭素や温室効果ガス排出量
- エネルギー消費量
- 水の消費量
- 廃棄物の処理や発生量
- 環境関連の技術や製品
社会
- 人権への配慮
- 児童労働防止の対策
- 子供の権利遵守
- 福祉に対する貢献
- 社会貢献活動に関する取り組み
- 製品の安全性
- 責任あるマーケティングの実施
- 武器製造の有無
企業統治
- 国際的な法令順守
- 女性の人材の活用
- 男女従業員の報酬比較
- 人種差別
- 従業員の満足度
- 育児休暇が取り易い勤務形態
- リスク管理体制
- 公正な事業慣行
- サプライチェーンのリスク管理
- 労災関連のデータ
- サステナビリティ戦略
S&P/TOPIX 150 ESG指数におけるESG評価
S&P/TOPIX 150 ESG指数では、スイスを拠点とするRobecoSAM社が開発したESG評価手法のCorporate Sustainability Accessment(CSA)に基づいて決定されるESGスコアが組入比率の調整に利用されています。
RebecoSAM社
RebecoSAM社は、経済・環境・社会の持続可能性(サステナビリティ)に配慮した投資(サステナビリティ投資)に特化した資産運用や企業調査・格付けを行っています。RebecoSAM社は、年1回サステナビリティへの取り組みに優れた企業を評価した「サステナビリティ・イヤーブック」を発表しています。この中で、59の業種の中で最も優れた企業を、RobecoSAM セクター・リーダー(RobecoSAM Industry Leader)として表彰しており、2016年には、59業種中6業種において日本企業がセクター・リーダーとして表彰されています。
RebecoSamセクター・リーダー2016に選出された日本企業と業種
- ベネッセホールディングス(各種消費者サービス)
- 富士フイルムホールディングス(コンピューター・周辺機器および事務用電子機器)
- 富士通(情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス)
- 伊藤忠商事(商社・流通業)
- 花王(パーソナル用品)
- 積水化学工業(住宅建設)
サステナビリティ・イヤーブック2016の日本語版はRebecoSAM社のHPからダウンロードできます。