実質的な信託報酬とは
実質的な信託報酬とは、ファンド・オブ・ファンズにおいて、投資先のファンドの信託報酬を加味した信託報酬のことを指します。
信託報酬は投資信託の運営において、販売会社、運用会社、受託銀行が果たす役割・業務の報酬として、信託財産から差し引かれ、販売会社・運用会社・受託銀行に支払われる報酬のことです。投資家にとっては間接的に負担する費用となります。
ファンド・オブ・ファンズにおいては、ファンドの信託報酬の他に、ファンドが投資対象としているファンドにおいても信託報酬が発生し、これも投資家が負担することになります。そのため、投資対象ファンドの信託報酬を加味した総信託報酬を投資家に開示すべきであるという考えから、実質的な信託報酬として目論見書などにおいて記載されています。
実質的な信託報酬の例
例えば、○○○ファンドというファンド・オブ・ファンズの信託報酬率がファンドの純資産総額に対して1.26%で、投資先ファンドの信託報酬率が0.525%だとすると、○○○ファンドの実質的な信託報酬は1.26%+0.525%=1.785%ということになります。
ただし、ファンド・オブ・ファンズは複数のファンドに投資することが多く、各ファンドの組み入れ比率も変動するので、目論見書などに記載されている実質的な信託報酬は概算で表示されます。そのため、ファンドの純資産総額に対して年率○%程度と記載されることが一般的です。
投資信託を利用して運用を行なう場合、直接・間接的に負担する費用は投資成果を押し下げる要因となります。負担する費用が多ければ多いほど、ファンドの運用成果にとってはマイナスが大きくなります。しかも、信託報酬は、投資している間はずっと負担し続けるものですから、同じ投資対象のファンドであれば、その中からできるだけ信託報酬率や実質的な信託報酬率が低いファンドを選択したいものです。