キャップトETFとは?


キャップトETF

キャップトETFとは、1銘柄当たりの構成比率など、構成比率に関して上限を設けている指数に連動を目指すETFのことです。そのため、ETFにおいても、1銘柄当たりのファンド全体に対する割合等が指数と同じように制限されることになります。

例えば、1銘柄当たりの構成比率の上限を指数全体の25%までとするという制限を設けている指数への連動を目指すETFであれば、ETFにおいても1銘柄あたりの組入比率の上限は25%となります。

キャップトは英語のcappedのことで、上限(cap)を定める、~に蓋をかぶせる、~を制限するという意味です。

キャップトETFでは、ファンド名に「キャップト(capped)」という言葉が入っているものもありますが、そうでないファンドもあります。

このような構成比率に上限を設けている指数をcapped index(日本語ではキャップ指数)と呼びます。

 

上限を設ける理由

投資信託やETFにおいて、1銘柄のファンド全体に対する割合が大きくなりすぎると、その銘柄のファンド全体への影響が大きくなりすぎ、それがファンドの基準価額のボラティリティ(値動きの幅)の大きさにつながります。特定の銘柄の値動きにファンド全体が左右されてしまうことになります。つまり、キャップトETFは、ファンドの値動きの幅をある程度抑えるために、構成比率の上限を定めて、リスクを抑えようとする運用手法です。

 

キャップトETFの例

キャップトETFは、東京証券取引所に上場しているETFにも、日本の証券会社を通じて購入できる米国籍などの外国籍のETFにも見られます。

国内に上場しているキャップトETFの例

東京証券取引所に上場している「上場インデックスファンドアジアリート」(銘柄コード:1495)がその一例です。同ETFは、「FTSE EPRA/Nareitアジア(除く日本)リート10%キャップ指数」への連動を目指すETFです。

連動対象である「FTSE EPRA/Nareitアジア(除く日本)リート10%キャップ指数」は、日本を除くアジア各国の上場不動産投資信託(リート)を対象とする時価総額加重平均型の指数ですが、個別銘柄の組入比率を、リバランス時において最大10%に制限しています。したがって、この指数に連動する投資成果を目指す「上場インデックスファンドアジアリート」も個別銘柄の組入比率の上限が10%に抑えられます。

外国籍のキャップトETFの例

また、国内の証券会社を通じて投資できる米国籍のETFにもキャップトETFが多く見られます。その一つが「iシェアーズMSCI タイETF」(ティッカーコード:THD)です。同ETFは、「MSCI タイIMI 25/50 インデックス」への連動を目指すETFですが、同指数は、個別銘柄の構成比率の上限を25%とし、同時に、構成比率が5%以上の銘柄の合計がファンド全体の50%を超過しないように制限しています。それが、指数名の「25/50」の意味です。

同様に、ブラックロックが管理・運用し、日本国内でもオンライン証券などを通じて購入することができる次のETFも、キャップトETFです。

ETF名(キャップトETF) ベンチマーク(キャップト指数)
iシェアーズMSCI 韓国 ETF (EWY) MSCI 韓国25/50 インデックス
i シェアーズMSCI 台湾 ETF(EWT) MSCI 台湾25/50インデックス
iシェアーズMSCI ロシアETF(ERUS) MSCI ロシア25/50 インデックス
iシェアーズMSCI ポーランド ETF (EPOL) MSCI ポーランドIMI 25/50 インデックス
iシェアーズMSCI ブラジルETF (EWZ) MSCI ブラジル25/50 インデックス
iシェアーズMSCI メキシコETF(EWW) MSCI メキシコ IMI 25/50 インデックス
iシェアーズMSCI 南アフリカ ETF (EZA) MSCI South Africa 25/50 Index
iシェアーズ MSCI 東欧キャップトUCITS ETF(米ドルクラス)(IEER) MSCI EM イースタン・ヨーロッパ10/40 指数