高配当ETFとは
高配当ETFは、配当の高い株式に投資することで、投資家に高い分配金利回りを提供するETFです。高配当ETFは、高い株式配当利回りに着目した株価指数への連動を目指して運用を行います。このようなETFを海外ではDividend ETFなどと呼びます。Dividendは配当という意味です。
2019年9月末現在、次の7本の高配当ETFが東京証券取引所に上場しています。
- 上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)(1698)
- NEXT FUNDS 日本株高配当70連動型上場投信(高配当70)(1577)
- NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)
- iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF (1478)
- 上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ(1399)
- ダイワ上場投信-TOPIX高配当40指数(1651)
- One ETF 高配当日本株(1494)
高配当指数
上記のETFは、いずれも高い配当利回りの獲得を目指していますが、採用しているベンチマーク(株価指数)はファンドにより異なり、各々のベンチマーク次のような特徴があります。
東証配当フォーカス100
2010年3月に東京証券取引所が算出を開始した株価指数。TOPIX1000および東証REIT指数の構成銘柄のうち時価総額および予想配当利回りに着目して選定された100銘柄(株式90銘柄、REIT10銘柄)で構成されています。
野村 日本株高配当70(配当除く)
2012年12月に野村證券金融工学研究センターが算出を開始した日本株を対象とした株価指数。国内の金融商品取引所に上場する全ての普通株式のうち、今期予想配当利回りの高い原則70銘柄で構成されています。
MSCIジャパン高配当利回り指数
MSCI社が算出する日本株の株価指数。配当性向や配当継続性、財務指標(ROE、負債・自己資本比率等)の要件を満たした銘柄の中で、配当利回りが高い銘柄で構成されています。REITは含まれません。構成銘柄は40銘柄から100銘柄程度で推移しています。英語名称はMSCI Japan High Dividend Yield Index。
MSCIジャパンIMIカスタム高流動性高利回り低ボラティリティ指数
MSCI社が算出する日本株の株価指数。流動性基準及び配当利回り基準により銘柄を抽出し、当該銘柄で構成される株式ポートフォリオのリスクを最小化するように銘柄選定及び銘柄のウェイト設定を行う最小分散戦略を用いた株価指数です。2015年12月末現在、131銘柄で構成されています。英語名称はMSCI Japan IMI Custom Liquidity and Yield Low Volatility Index (JPY)。
モーニングスター配当フォーカス
投資信託の評価会社であるモーニングスター社が算出する米国株式を対象とした株価指数。米国高配当株で構成される指数で、米国株式市場全体の約97%を占めるモーニングスターUSマーケット・インデックスSMの構成銘柄の中でも、財務 の健全性が高く、かつ持続的に平均以上の配当を支払うことができると認められた利回り上位75社の銘柄で構成されています。
高配当ETFの分配金利回り
では、高配当ETFの分配金利回りはどうだったでしょうか。
2019年9月末現在の過去1年の分配金利回りを見ると、日本株式を対象とした高配当ETFの分配金利回りは次の通りでした。なお、2019年9月の東証第一部の単純平均利回りは約2.07%でした。
ETFの分配金利回りは市場や経済状況等により毎年変化します。昨年分配金利回りが高かったETFが今年も高いとは限りません。また、希薄化や濃縮化の影響も受けます。そのため、個人投資家にとっては高い配当利回りを得られるETFを予想するのはハードルの高い作業ですが、このような高配当ETFを利用すれば、継続的に高い分配金利回りの獲得が可能になると期待されます。
ファンド名 | 分配金利回り |
上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)(1698) | 3.26% |
NEXT FUNDS 日本株高配当70連動型上場投信(高配当70)(1577) | 3.55% |
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489) | 3.91% |
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF(1478) | 3.63% |
ダイワ上場投信-TOPIX高配当40指数(1651) | 3.32% |
One ETF 高配当日本株(1494) | 2.83% |
(データ:各ETFの月報、東京証券取引所、2019年9月末)