ハイブリッドETF
米国の投資信託の業界団体であるICI(米国投資信託協会)では、ETFを次の4つのカテゴリーに分類(大分類)しています。
株式ファンドは株式に投資するETFです。株式ファンドは、更に、国内株式ファンド(Domestic Funds)と世界株式ファンド(World Funds)に分類されます。
債券ファンドは債券に投資するETFです。更に課税債券ファンド(Taxable Bond)と地方債ファンド(Municipal Bond)に分類されます。
そして、ハイブリッド・ファンド(ハイブリッドETF)は、株式と債券の両方に投資するタイプのETFのことを指します。日本では、株式と債券に分散投資するタイプの投資信託やETFはバランスファンド、バランス型ファンド、アロケーション型ファンドと呼ばれることが多いですが、ICIではハイブリッド・ファンドと呼んでいます。ただし、米国でも、マスコミ等ではバランスETF (balanced ETF)と呼ばれることもあります。
なお、優先株、劣後債、優先出資証券といった証券の場合は債券と株式の中間の特性を持ったハイブリッド証券とは異なりますので注意して下さい。
商品ファンドは商品、通貨、先物に投資するETFです。ただし、ICIの統計などでは、商品ファンドは株式ファンドの中に含まれています。
ハイブリッドETFの運用数
2016年7月末現在、米国では1,682本のETFが運用されていますが、ハイブリッド・ファンドはわずか20本に過ぎません。
また、金額ベースで見ると、米国のETFの2016年7月末現在の資産残高は約2.3兆ドル(約234兆円)ですが、金額ベースでもハイブリッド・ファンドはETF全体のわずか0.2%、金額にして約45億ドル(約4,500億円)にすぎません。
日本の証券会社を通じて購入できる米国籍のハイブリッドETFの例としては、「SPDR SSGA インカム・アロケーションETF(ティッカーコード:INKM)」や「SPDR SSGA グローバル・アロケーションETF(GAL)」があります。これら2本はNYSE Arcaに上場するETFで、アクティブ・アセット・アロケーションと呼ばれる手法で株式と債券で運用されている、アクティブ運用型ETFです。