ETFの取引所価格と一口当たり純資産額の違い
ETF(上場投資信託)には、取引所価格と一口当たり純資産額と呼ばれる二つの価格があります。その違いは何でしょうか。
ETFの取引所価格
ETF(上場投資信託)の取引所価格は、株価のように証券取引所における売買の結果成立した価格のことです。市場価格とも呼ばれます。東京証券取引所の場合は、「現在値」として表示されています。証券取引所が示す始値、高値、安値、そして終値も取引所価格です。海外のETFでは「Market Price」「Real Time Price」などと表示されます。
例えば、2015年8月24日のTOPIX連動型ETFの前場終了時点(11時30分)の取引所価格は次の通りです。
銘柄コード | 銘柄名 | 現在値 | 時刻 | 前日比 | |
1305 | ダイワ上場投信-トピックス | 1,558円 | 11:30 | -65 | -4.00% |
1306 | NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 | 1,540円 | 11:30 | -60 | -3.75% |
1308 | 上場インデックスファンドTOPIX | 1,523円 | 11:30 | -63 | -3.97% |
1348 | MAXIS トピックス上場投信 | 1,542円 | 11:30 | -62 | -3.86% |
(データ:東京証券取引所)
一口当たり純資産額
一方、一口当たり純資産額は、ETF(ファンド)が保有している株式や債券などの資産の価値の合計である総資産から負債を差し引いた額(=純資産)をファンドの口数で割ったものです。取引所での取引終了後に、1日1回公表されます。一口当たり純資産額は基準価額とも呼ばれます。
算出方法は、一般の投資信託(非上場)の基準価額と同じです。英語ではNet Asset Value と呼ばれ、海外のETFにおいては、NAVとして表示されます。
運用会社がETFの基準価額を公表する際には、各ファンドの売買単位に応じて10口当り、あるいは100口当りで公表されます。8月24日(月)に公表されているTOPIX連動型ETFの基準価額は8月21日(金)終値に基づいたもので、次のようになっています。
銘柄コード | 銘柄名 | 基準価額 | 単位 |
1305 | ダイワ上場投信-トピックス | 16,219円 | 10口 |
1306 | 160,087円 | 100口 | |
1308 | 上場インデックスファンドTOPIX | 158,424円 | 100口 |
1348 | MAXIS トピックス上場投信 | 160,260円 | 100口 |
このように、ETFの一口当り純資産額は、ファンドが保有している有価証券等の資産価値によって決定され、一方でETFの取引所価格は市場(取引所)における需要と供給で決まります。そのために、投資家が購入するETFの取引所価格は、1口当たり純資産額よりも高かったり、あるいは低かったりします。