外国ETFとは
外国の法律に基づいて設定され、外国の証券取引所に上場しているETFを一般に「外国ETF」と呼びます。「海外ETF」や「外国籍ETF」と読んでいる証券会社もあります。例えば、米国のニューヨーク証券取引所に上場しているETFや英国のロンドン証券取引所に上場しているETFのことを指します。日本国内に上場しているETFと同様に、外国ETFも特定の指数への連動を目指すインデックスファンドがほとんどですが、アクティブ運用型のETFも登場しています。
増える外国ETF
2010年頃から、日本の証券会社で販売される外国ETFのファンド数は急速に増えています。米国で最も活発に取り引きされているETFで「SPY(スパイ)」の愛称で有名なSPDR S&P 500や「ダイアモンド」の愛称で知られるDIAMONDS Trust Series1も日本で購入できるようになりました。米国を本拠地とする世界最大級の運用会社であるバンガード・インベストメンツでは、2019年3月末現在、72本の外国籍のバンガードETFを日本において提供しており、マネックス証券、SBI証券、楽天証券、野村證券などを通じて購入することが可能です。
日本で購入できる外国ETFのブランド
外国ETFの特徴
外国ETFは、海外の市場に上場しているので、外貨建ての投資対象です。米国に上場しているETFであれば米ドル建て、英国に上場しているETFであればポンド建てなどとなります。決済は取引口座に外貨の残高を用意する必要がある場合と円で決済が可能な場合があり、対応は証券会社により異なります。投資対象としては、米国や欧州の株式や債券だけでなく、メキシコやブラジル、インドなど、様々な国の株式や債券等を投資対象とする外国ETFがあり、外国ETFを利用することで、世界中の資産に投資することが可能だと言えます。
外国ETFの信託報酬
外国ETFの信託報酬(運用管理費)は、国内のETFと比較して、かなり低い水準に設定されており、コストメリットのある投資対象と思われていますが、国内の証券会社に支払う売買手数料、外国証券取引口座の口座管理費、為替手数料、海外で発生する手数料を合わせると、かなりの額の費用負担が発生することがあります。特に、売買額が少額の場合は、費用の投資金額に対する割合がかなりに大きさになることもあります。これらの手数料をきちんと調べた上で、それでもコストメリットがあるかどうかを検討する必要があります。
ファンドの情報
また、ファンドの説明資料については、日本語では外国証券内容説明書と呼ばれる概要やFACTSHEETと呼ばれる資料が存在しますが、目論見書のような詳細資料を日本語で入手できるところは限られています。目論見書は海外ではプロスペクタス(prospectus)と呼ばれており、上場している外国の取引所や運営管理会社のホームページに英文で掲載されているので、自分で見つけて理解する必要があります。