シェアクラスとは?
シェアクラス(share class)は、米国の投資信託(ミューチュアル・ファンド)の株式の種類のことです。日本語ではクラス別シェア、種類株、種類株式などと訳されます。
主に販売手数料の徴収方式と購入単位(金額)の違い
米国のミューチュアル・ファンドは投資会社(investment company)と呼ばれる会社(法人)として設立されます。投資家にとっては、この会社の株式を購入することがミューチュアル・ファンドに投資するということです。
ミューチュアル・ファンドは、主に手数料の徴収方法や最低購入単位の違いにより異なる種類の株式を発行し、これをシェアクラスと呼びます。ここでいう手数料とは、購入時の販売手数料、売却時の手数料などのことです。つまり、同じミューチュアル・ファンドに投資するのでも、購入時に販売会社に手数料を払うクラスや、売却時に手数料を支払うクラスが存在します。
手数料の徴収方式の違いの他に、最低投資単位の条件も合わせてシェアクラスを設定している運用会社もあります。投資家は自分に合った手数料体系・購入単位のシェアクラスを購入することが可能です。
シェアクラスの名称はクラスAシェア、クラスBシェア、クラスCシェア、クラスIシェアなどがありますが、シェアクラスの数や条件、あるいは名称はミューチュアルファンドにより異なります。
投資家の購入代金は同じミューチュアル・ファンドの運用資産となり、同じ運用が行われますが、手数料が異なるので、運用成績はシェアクラスによって異なることになります。
各シェアクラスの特徴
シェアクラスには、一般的にはクラスAシェア、クラスBシェア、クラスCシェア、クラスIシェアがあります。米国の証券取引委員会(SEC)によると、各クラスの一般的な特徴は次の通りです。
クラスAシェア
購入時に販売手数料がかかるクラス。この手数料のことを一般にフロント・エンド・セールス・ロード(front-end sales load)と呼びます。Loadは手数料を意味する言葉です。
また、ミューチュアル・ファンドでは、12b-1 feeと呼ばれるマーケティング費用や販売関連サービスをカバーするための手数料がかかることがありますが、クラスAシェアでは、この12b-1 feeがかからない、または低く設定されています。
クラスBシェア
購入時には販売手数料はかからないものの、売却時に手数料(バック・エンド・ロード)がかかるタイプです。バック・エンド・ロードは通常、一定期間以上保有してから売却した場合には不要となります。期間はファンドにより異なります。このバック・エンド・ロードはCDSLコンティンジェント・ディファード・セールス・ロード(contingent deferred sales load)やコンティンジェント・ディファード・セールス・チャージ(CDSC)とも呼ばれます。Contingentは条件付きという意味です。日本語では条件付後払申込手数料と訳され、日本で販売されている米国籍の投資信託でも、このCDSLがかかるものがあります。保有期間などの条件はファンドにより異なります。
クラスBシェアでも12b-1feeがかかり、一般的にクラスAシェアよりも12b-1feeの負担率は高くなります。一定の保有期間後にクラスAシェアに転換するものもあります。
クラスCシェア
購入時の販売手数料も売却時の手数料もかからないタイプです。一般に高い12b-1 feeがかかります。
この他にも、機関投資家向けのクラスIシェア、子供の学費積立用の529プラン用の529シェアなどがあります。また、運用会社によっては、独自のシェアクラスを採用しているところもあります。
(出所:Investor Bulletin : Mutual Fund Classes, Investor.gov, SEC)