アセット・アロケーションとは、投資資金を複数の異なった資産(Asset)に配分(Allocation)する投資戦略のことです。そうすることで、ファンドや投資家のリスク許容度に応じたリスクを取りつつ、最適なリターンの獲得を目指します。
この投資戦略を用いたファンドは投資する資産を、株式のみ、あるいは、債券のみ、というように限定せず、リスクを考慮しながら、市場環境に応じて複数の投資資産に分散投資します。例えば、株式に40%、債券に30%、商品に10%、短期金融商品に20%のように資産配分を行います。
各運用会社は独自の方法に基づいてリスクとリターンを分析し、資金の配分比率を決定しています。なお、一旦、配分比率を決定したら、その後は配分比率を変更しない運用手法と、市場環境に応じて臨機応変に各資産への投資比率を変更する運用手法があり、後者はダイナミック・アセット・アローケーションと呼ばれています。
また、リスクとリターンの関係を分析することにより代表的な3つの資産(株式、債券、短期金融資産)の最適な組入れ比率を、一定の運用ルールのもとで機動的に変更することにより、運用成果の向上をめざす運用手法をTAA(Tactical Asset Allocation=戦術的資産配分)と呼びます。