ボトム・アップ・アプローチとは、個別銘柄を一つずつ積み上げることで、ポートフォリオを構築する手法のことです。
つまり、運用会社のアナリストやファンドマネージャーが、投資候補の企業のファンダメンタルズを丹念に調査・分析し、この結果に基づいて投資信託に実際に組み入れる銘柄を選択し、それらの銘柄を積み上げることで投資信託全体のポートフォリオを構築する方法です。
この時、アナリストやファンドマネージャーは、実際に投資候補の企業を訪問して、経営者、財務担当者、あるいは研究開発担当者などと面談を行います。これを「会社訪問」といいます。企業の財務諸表の分析も個別銘柄の選択課程においては非常に重要ですが、多くのアナリストやファンドマネージャーが、この会社訪問で得られる様々な情報を最も重視すると言い、年間で数百社を訪問するというファンドマネージャーもいます。
ファンドマネージャーやアナリストは、投資候補の企業をより知るために、経営者や財務・広報担当者だけでなく、研究開発部門や営業部門を訪問することもあります。実際に各地の工場を見に行くことも多くあります。更には、その会社の競合会社を訪問することもあり、あらゆる角度から企業の調査・分析を行なっています。
ボトム・アップ・アプローチでは、マクロ経済の状況や投資する企業が属する業界の動向などにはあまり注目せず、あくまでも個別企業の業績が重視されます。
これに対して、ファンドを構築する際に、最初にマクロ経済動向などの分析により資産配分を決定し、その後で、その資産配分の枠の中で組入れる個別銘柄を決定してゆく方法をトップ・ダウン・アプローチと呼びます。