株式ロング/ショート戦略とはどんな運用手法ですか?


株式ロング/ショート戦略は、ファンドの運用手法の一つです。

株式ロング/ショート戦略は、株式市場において、値上がりが期待できる割安な銘柄(過小評価された銘柄)を買い、同時に値下がりが予想される割高な銘柄(過大評価された銘柄)を空売りします。株式などを買うことを「ロング」にする、あるいはロング・ポジションをとると言い、売ることを「ショート」にする、あるいはショート・ポジションをとるなどと言うことから、この戦略はロング/ショート戦略と呼ばれています。

一般の株式投資信託では、常に、ある銘柄を購入し、その株式が値上がりしたところで売却して利益を獲得しようとしますが、ロング/ショート戦略では、株価の値上がりだけでなく、空売りした銘柄が値下がりした場合に買い戻すことで、株価の値下がりからも利益を獲得する機会が生まれ、より機動的な運用が可能であると考えられています。

ロング/ショート戦略はヘッジファンドが活用する代表的な運用手法の一つです。しかし、投資信託の運用においても、これまでの規制緩和により空売りを含む金融派生商品のヘッジ目的以外での利用が可能となったことから、ロング/ショート戦略を採用した投資信託が登場しています。

例えば、スパークス・アセット・マネジメント株式会社が運用する「スパークス・ロング・ショート・ストラテジーファンド」、「スパークス・日本株・ロング・ショートファンド」がその代表的な例です。両ファンドとも、ロング/ショート戦略を用いて、日本の株式市場で絶対リターンを追求することを目的としています。日本で販売されている外国籍投資信託では、「アーカス・ジャパン・ロング/ショート・ファンド」、「グローバル エクイティー ロング・ショート ファンド」などが、これまで国内で運用されてきたロング/ショート戦略のファンドです。