金融サービス仲介業とは?


金融サービス仲介業とは?

「金融サービス仲介業」は、金融機関や保険会社などの金融商品やサービスの提供会社と顧客との間に立って、金融取引やサービスの仲介を行うことです。

金融サービスの提供に関する法律」では、「金融サービス仲介業とは、預金等媒介業務、保険媒介業務、有価証券等仲介業務又は貸金業貸付媒介業務のいずれかを業として行うことをいう」と定義されています。

2020年6月5日に、これまでの「金融商品の販売等に関する法律(金融商品販売法)」の名称が、「金融サービスの提供に関する法律」に改称されたことで、金融サービス仲介業は創設されました。

金融サービス仲介業を行うためには、内閣総理大臣の登録が必要です。登録を受けると、銀行・証券・保険すべての分野のサービスの仲介業務が可能です。

それ以前の仲介業では、銀行であれば銀行代理業として銀行サービスを提供し、証券会社の仲介であれば金融商品仲介業として証券サービスを、保険会社の仲介であれば保険募集人として保険サービスを提供していました。根拠法も業態ごとに銀行法金融商品取引法保険業法と異なっていました。現在は、金融サービス仲介業者は、ひとつの登録で銀行サービス、証券サービス、保険サービスをワンストップで提供することが可能な点が、以前の仲介業とは異なる点です。

金融サービス仲介業 金融サービス仲介業

 

 

なお、金融サービスの提供に関する法律の目的は次のように定義されています。

この法律は、金融商品販売業者等が金融商品の販売等に際し顧客に対して説明をすべき事項、金融商品販売業者等が顧客に対して当該事項について説明をしなかったこと等により当該顧客に損害が生じた場合における金融商品販売業者等の損害賠償の責任その他の金融商品の販売等に関する事項を定めるとともに、金融サービス仲介業を行う者について登録制度を実施し、その業務の健全かつ適切な運営を確保することにより、金融サービスの提供を受ける顧客の保護を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とすることとする。

 

利用者保護について

これまでの金融商品仲介業者等は、特定の金融機関に所属し、所属する金融機関のサービスの提供を行い、同時に、その金融機関から、商品やサービスの勧誘や説明に関して指導や情報提供を受けていました。しかし、金融サービス仲介業者は、特定の金融機関への所属が必要とされず、様々なサービスを取り扱えることになりました。ただし、取扱可能なサービスは「高度な説明を要しないサービス」に限定され、利用者財産の受け入れ禁止や保証金の供託義務が課せられることで、利用者保護が図られています。

 

金融サービス仲介業者が提供できないこと

金融サービス仲介業者は、銀行サービス、証券サービス、保険サービスをワンストップで提供することができますが、各々のサービス提供にあたり、高度な説明を要するサービスの提供は禁止されています。例えば、証券サービスであれば、国債や上場株式、投資信託の取扱いは可能なものの、非上場株式やデリバティブの取扱いはできません。

 

銀行 証券 保険
取扱可能 普通預金、住宅ローン 国債、上場株式、投資信託 傷害保険、旅行保険、ゴルフ保険
取扱不可 仕組預金 非上場株式、デリバティブ 変額保険、外貨建て保険

 

金融サービス仲介業者の一覧

2023年5月18日現在、全国で次の6社が金融サービス仲介業者として金融庁に登録されています。

最新の金融サービス仲介業者の一覧は金融庁のHPで確認できます。