日本では、投資信託はいつ頃から存在していたのですか?


日本で最初の投資信託

投資信託は多くの人のお金を一つにまとめて運用する「共同投資」が基本となっていますが、現在の証券投資信託のように共同投資の概念に基づいて有価証券に投資する形が日本で初めて登場したのは、1937年に設立された「藤本有価証券投資組合」であったと言われています。

藤本有価証券投資組合は、藤本ビルブローカー証券が斡旋する形で投資組合を設立し、そこへの出資金により証券投資を行い、運用からの利子・配当・売買益を組合員に分配するというものでした。ちなみに、藤本ビルブローカー証券は、後に藤本証券と社名を変更し、日本信託銀行と合併して大和証券となりました。

 

証券投資信託の発足

その後、法律に基づいた証券投資信託が発足したのは1941年になってのことで、第一号は野村證券が委託者、野村信託が受託者の証券投資信託でした。しかし、この時点では現在のような投資信託法は存在せず、従来の法律の範囲内での設立でした。しかし、第二次世界大戦や戦後の混乱により運用や募集が中断され、あるいは清算して償還されました。

 

戦後の状況

戦後、証券投資信託が発足したのは1951年になってからのことです。この年の6月4日に証券投資信託法が公布され、その2日後には、野村、日興、山一、大和の証券会社4社が、証券投資信託委託者登録を行い、各社とも第1回単位型投資信託の募集を開始しました。

その後、外資系の参入などもあり、2020年1月末現在では約80社の投資信託委託会社が登録され、数千本の投資信託が運用されています。

 

投資信託の歴史