確定拠出年金の元本確保型商品
確定拠出年金の掛け金(拠出金)の運用対象となる商品には、元本確保型の商品と投資信託がありますが (2022年1月現在)、この元本確保型の商品とはどのようなものでしょうか。
なお、2018年5月に施行された「確定拠出年金法等の一部を改正する法律」 により、それまで、各運営管理機関は元本確保型商品を1本以上加入者に提示することが義務付けられていましたが、この義務が廃止され、現在は「リスク・リターン特性の異なる3つ以上の運用商品」を提供することが義務付けられています。
元本確保型商品とは
元本確保型商品とは、積み立てたお金(拠出金)の元本が確保される商品です。最初に提示された満期期間と利回りが約束されており、満期まで保有すれば元本と利回りが確保される仕組みの商品のことで、銀行の定期預金や生命保険会社や損害保険会社の保険商品などが含まれます。なお、ここでいう元本は、運営管理機関に支払う手数料を差し引いて、運用に回される金額のことです。
元本確保型商品は具体的には次の商品のことです。
- 預金または貯金・・・定期預金などの預貯金。預金保険制度等の対象となるもの
- 信託商品・・・預金保険制度の対象となる元本補填の契約があるもの
- 生命保険・共済保険・・・生命保険契約者保護機構の会員である保険会社が提供する利率保証型の積立生命保険や定期年金保険など
- 損害保険・・・損害保険契約者保護機構の会員の損害保険会社が提供する積立型の損害保険など
(出所:確定拠出年金法施行令 第15条および第38条)
元本確保型商品の注意点
現在のような超低金利の時代には、元本確保型商品の利率も非常に低い状況にあります。例えば、運営管理機関の一つであるゆうちょ銀行が提供している「確定拠出年金定期預金(1年)」では、利率は0.002%です。サラリーマンなど所得がある人の場合は、掛け金について所得税控除というメリットがあるので、元本確保型商品でも確定拠出年金を利用するメリットはないとは言えませんが、主婦(夫)など所得がない人の場合には、運営管理機関に支払う手数料が元本確保型商品から得られる利益を上回ってしまう可能性が大きいので注意が必要です。
現在提供されている元本確保型商品の例(2021年10月末現在)
確定拠出年金の運営管理機関の一つであるゆうちょ銀行では、現在、次の元本確保型の商品が提示されています。
商品 | 商品提供会社 |
確定拠出年金定額貯金 | ゆうちょ銀行 |
確定拠出年金定期貯金(1年) | ゆうちょ銀行 |
確定拠出年金定期貯金(3年) | ゆうちょ銀行 |
確定拠出年金定期貯金(4年) | ゆうちょ銀行 |
三井住友信託DC固定定期5年 | 三井住友信託銀行 |
三井住友信託DC変動定期5年 | 三井住友信託銀行 |
確定拠出年金専用定期預金「ベストテン」 | 三菱UFJ信託銀行 |
確定拠出年金通常貯金 | ゆうちょ銀行 |