投資信託の解約率とは
投資信託の解約率とは、当月の解約額(投資信託が売却された額)を前月末の純資産総額(運用残高)で除した数値のことです。パーセンテージで示されます。解約率が大きいということは、残高に対して売却された金額の割合が大きいことを意味しています。
解約率には投資信託全体での解約率、投資信託の種類別の解約率、あるいは運用会社別の解約率などがあります。
解約率=当月解約額➗前月末純資産額
例えば、2018年7月末現在、6,026本の株式投資信託が運用されていますが、7月の解約率は2.2%でした。つまり、6月末に運用されていた株式投資信託資産の2.2%が7月に解約(売却)されたことになります。これを長期で見ると次のグラフのようになります。2.2%と言う直近の解約率は、2010年以降で見ると、低い水準にあることがわかります。
解約率は投資信託の種類や投資対象、市場環境や投資目的などによっても異なりますので、解約率が高いことが悪いとは断定できません。ただし、特定の投資信託において他の投資信託に比べて解約率が非常に高い、あるいは高い状態が続いている場合には、その理由等を販売会社などに確認することも必要です。
(データ:投資信託協会「株式投信の商品分類別内訳」)
運用益と解約率の関係
投資信託業界では、収益率と解約率の間には正の相関が存在すると言われてきました。つまり、利益が出ると、投資家は投資信託を利食う(売却する)傾向があるという見方です。次のグラフは運用等による資産増減と解約率の推移を示しています。運用による残高の増加額が大きな月に解約率が大きく上昇している月もありますが、2015年以降は必ずしもそうだと言えない状況であることがわかります。
(データ:投資信託協会「株式投信の商品分類別内訳」)
投資対象別の解約率
2018年1月から7月までの合計で、解約率を投資対象別に見ると、次のグラフのようになります。内外に投資するタイプの投資信託の解約率が2.1%と最も低く、国内に投資するタイプが2.7%と最も高くなりました。
(データ:投資信託協会「株式投信の商品分類別内訳」)
国内、海外、内外という大まかな投資対象別では、大きな差はありませんが、一般的にブルベア型のように短期投資を目的とした投資信託の解約率は高くなります。実際、2018年1月から7月までの合計では、ブルベア型の投資信託の解約率は29.4%、7月単月でも37.5%と極めて高い解約率でした。