投資信託の約款とは
投資信託の約款とは、投資信託の運用会社(委託会社)と信託銀行(受託者)との間で締結された信託契約の条項のことです。投資信託を運用・運営するための基本的な取り決めが規定されています。
約款は投資信託ごとに作成され、金融庁に届出されます。また、投資信託及び投資法人に関する法律により、投資信託の販売会社は、投資信託約款の内容等を記載した書面を投資家に交付することが義務付けられています。ただし、通常は、目論見書に約款と同等の内容が記載されている場合には、目論見書を交付すればよいことになっています。また、書面についても、紙の媒体ではなく、インターネット経由で電子的に提供する方法での交付も可能となっています。
投資信託約款の内容
具体的には、約款には次のような項目について規定されています。
- 信託の種類、委託者及び受託者
- 信託の目的及び金額
- 信託金の限度額
- 信託期間
- 受益権の取得申込みの勧誘の種類
- 当初の受益者
- 受益権の分割及び再分割
- 追加信託の価額及び口数、基準価額の計算
- 信託日時の異なる受益権の内容
- 受益権の帰属と受益証券の不発行
- 受益権の設定に係る受託者の通知
- 受益権の申込単位及び価額
- 受益権の譲渡に係る記載または記録
- 受益権の譲渡の対抗要件
- 有価証券及び金融商品の指図範囲等
- 運用の基本方針
- 投資する株式等の範囲
- 同一銘柄の株式等への投資制限
- 信用取引の指図範囲
- 先物取引等の運用指図・目的・範囲
- スワップ取引の運用指図・目的・範囲
- 同一銘柄の転換社債等への投資制限
- 有価証券の貸付の指図及び範囲
- 有価証券の保管
- 混蔵寄託
- 一括登録
- 信託財産の登記等及び記載等の留保等
- 有価証券売却等の指図
- 再投資の指図
- 資金の借入れ
- 損益の帰属
- 受託者による資金の立替え
- 信託の計算期間
- 信託財産に関する報告
- 信託事務の諸費用及び監査費用
- 信託報酬等の総額
- 収益の分配方式
- 収益分配金、償還金及び一部解約金の支払い
- 委託者の自らの募集にかかる受益権の口座管理機関
- 収益分配金及び償還金の時効
- 収益分配金、償還金及び一部解約金の払い込みと支払いに関する受託者の免責
- 信託の一部解約
- 信託契約の解約
- 信託契約に関する監督官庁の命令
- 委託者の登録取消等に伴う取扱い
- 委託者の事業の譲渡及び承継に伴う取扱い
- 受託者の辞任及び解任に伴う取扱い
- 信託約款の変更
- 反対者の買取請求権
- 運用報告書に記載すべき事項の提供
- 信託期間の延長
- 公告
- 質権口記載又は記録の受益権の取り扱い
- 信託約款に関する疑義の取扱い
なお、約款の記載事項は法改正などにより変更されることがありますので、最新の情報は投信法などでご確認ください。