日本銀行のJ-REIT(リート)買い入れ
日銀のJ-REIT買い入れとは、公開市場操作において、日本銀行が市場からJ-REIT(不動産投資信託=リート)を買い入れて、市場に資金を供給することです。これがJ-REIT市場にとってはプラス要因の一つであるという見方もあります。
日本銀行はどのようなリートを買い入れるのか
2020年2月末現在、64本の不動産投資信託(リート)が上場していますが、この中でどのような不動産投資信託を日銀は買い入れているのでしょうか。
具体的な銘柄名は公表されていませんが、日銀は買い入れ銘柄について2010年11月5日に公表した「指数連動型上場投資信託・不動産投資信託買入等の概要」の中で次のように定めています。
- 不動産投資信託(J-REIT)であって、AA格相当以上のもので、信用力 その他に問題のないもの。
- 不動産投資信託(J-REIT)については、取引所で売買の成立した日数が年間200日以上あり、かつ年間の売買の累計額が200億円以上であること。
ただし、各銘柄の買い入れについては、各銘柄の発行残高の5%以内と上限を定めています。また、発行済投資口の総数の5%を超えない場合であっても、特定の銘柄への過度の集中排除の観点から 日本銀行が銘柄別の上限を別に定めてこれを買入限度とするということです。
日本銀行が保有する議決権
なお、不動産投資信託には議決権がありますが、日本銀行は議決権行使に関して、「投資主の利益の最大化を目的とする指針を日本銀行が定め、信託銀行に行使させる」としています。
また、売却については、次の場合に関しては売却を行なうということです。
- 銘柄別残高が5%を超過した場合
- 監理銘柄・整理銘柄に指定された場合
- 公開買付けに応じる場合等
上記以外の場合に処分を行う際は、損失発生や市場への撹乱的な影響を極力回避することを考慮した指針を日本銀行が定め、信託銀行に処分させることになっています。