日本銀行によるリートの買い入れ
日本銀行は、金融緩和政策の一環として、公開市場操作において、市場からJリート(不動産投資信託)を買い入れて、市場に資金を供給しています。では、どのようなリートを買い入れているのでしょうか。
日本銀行が買い入れるJリートの条件
日本銀行は、Jリート買入の対象について、2010年11月に公表した「指数連動型上場投資信託・不動産投資信託買入等の概要」の中で、次の条件を定めています。
- 不動産投資信託(J-REIT)であって、AA格相当以上のもので、信用力 その他に問題のないもの
- 不動産投資信託(J-REIT)については、取引所で売買の成立した日数が年間200日以上あり、かつ年間の売買の累計額が200億円以上であること
その後、日本銀行が2013年に公表した(その後2014年と2016年に改定)「指数連動型上場投資信託受益権等買入等基本要領」では、買入対象を①当該投資口を発行する投資法人の債務が、「適格担保取扱基本要領」に定める適格担保基準を満たすものであること、②また、原則として、金融商品取引所において売買の成立した日数が年間200日以上あり、かつ当該金融商品取引所で行われた年間の売買の累計額が200億円以上であることと定めていますが、具体的な銘柄名は公表していません。
日本銀行が実際に買い入れたJリートの銘柄
しかし、2016年5月から6月にかけて日本銀行が金融庁に提出した大量保有報告書によって、これまでに日本銀行が購入し、その保有割合が5%を超えた銘柄については銘柄名が明らかになりました。
なお、大量保有報告書は金融庁が運営するEDINET「金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム」(http://disclosure.edinet-fsa.go.jp/)で検索できます。上記URLから「書類検索」に移動し、提出者に日本銀行ときにゅうし、書類種別を指定するで「大量保有報告書」にチェックを入れて検索します。
大量保有報告書によると、日本銀行が買い入れ、その保有割合が5%を超過したJ-REITは次の通りです(提出日が2016年6月6日までのもの)。
大量保有報告書提出日 | 銘柄コード | 保有銘柄 |
日本銀行の保有割合(%) |
2016/6/6(月) | 8951 | 日本ビルファンド投資法人 | 5.13 |
2016/5/19(木) | 3226 | 日本アコモデーションファンド投資法人 | 5.01 |
2016/5/19(木) | 3249 | 産業ファンド投資法人 | 5.03 |
2016/5/19(木) | 3269 | アドバンス・レジデンス投資法人 | 5.03 |
2016/5/19(木) | 8952 | ジャパンリアルエステイト投資法人 | 5.03 |
2016/5/19(木) | 8955 | 日本プライムリアルティ投資法人 | 5.00 |
2016/5/19(木) | 8957 | 東急リアル・エステート投資法人 | 5.02 |
2016/5/19(木) | 8960 | ユナイテッド・アーバン投資法人 | 5.02 |
2016/5/19(木) | 8964 | フロンティア不動産投資法人 | 5.02 |
2016/5/19(木) | 8967 | 日本ロジスティクスファンド投資法人 | 5.03 |
2016/5/19(木) | 8968 | 福岡リート投資法人 | 5.00 |
2016/5/19(木) | 8984 | 大和ハウス・レジデンシャル投資法人 | 5.02 |
2016/5/19(木) | 8987 | ジャパンエクセレント投資法人 | 5.03 |