投資口の分割とは?


不動産投資信託の投資口

不動産投資法人投資口とは、株式会社の株式にあたるものです。投資信託及び投資法人に関する法律においては、投資口とは、「均等の割合的単位に細分化された投資法人の社員の地位」と定義されています。

 

投資口の分割とは

この投資口の分割とは、投資口1口に対して、2口、3口、10口のように複数の割合で分割することをいいます。例えば、1口につき2口の割合をもって分割するという場合、これまで1口保有していた投資家の保有口数は2口になります。

これにより、投資口の投資単位当たりの金額(投資単価)が引き下げられ、投資家にとっては、投資口を購入しやすくなります。一方、不動産投資法人にとっては発行済み投資口数が増えることになり、投資家層を拡大し、投資口の流動性の向上を図ることが可能となります。

2014年1月に少額投資非課税制度(NISA)がスタートしましたが、投資単価の引き下げによりNISAにおいて不動産投資法人の投資口が購入しやすくなることを期待して、2013年12月には不動産投資法人による投資口の分割の発表が相次ぎました。

2013年12月に発表された投資口の分割
投資法人名
分割の割合
基準日
効力発生日
1口につき2口
2013/12/31(実質的には2013/12/30)
2014/1/1
1口につき5口
2014/1/31
2014/2/1
1口につき5口
2014/1/31
2014/2/1
1口につき5口
2014/1/31
2014/2/1
1口につき5口
2014/2/28
2014/3/1

投資口分割のプロセス

投資口分割は、投資法人が定めた基準日と呼ばれる日において、投資主名簿に記載された投資主の保有する投資口を対象に実施されます。基準日に投資主名簿に記載されているためには、その3営業日前の権利確定日=権利付き最終日までに、投資口を購入してある必要があります。これは、購入の決済が完了するのが購入後3営業日後であるためです。

例えば、大和ハウス・レジデンシャル投資法人(現、大和ハウスリート投資法人)(8984)は、2013年2月28日(木)を基準日として1口につき2口の割合で投資口分割を実施しましたが、この場合は、2月25日が権利付き最終日でした。投資口の価格は2月25日の終値が757,000円で、翌日の権利落ち最初の取引日の始値は366,000円と、分割を反映して約半分の価格になりました。