建築確認とは?


建築確認とは

2005年に姉歯建築設計事務所による前代未聞の構造計算書の偽造が発覚して以来、建築確認という言葉が頻繁にマスコミに登場するようになりました。今回は、この建築確認について考えてみましょう。

建築確認とは、建築物の建築、大規模な修繕や模様替えの工事又は用途変更を行う前に、その計画が建築基準関係規定に適合していることについて建築主事又は指定確認検査機関の確認を受けることを指します。関係規定に適合していることが確認されれば、確認済証が交付されます。確認済証が交付されてはじめて、工事を開始することが可能となるわけです。

また、この検査を行う建築基準法に基づく指定確認検査機関とは、建築基準法に基づき、国土交通大臣又は都道府県知事から指定を受けて建築確認検査を行う民間機関や財団法人のことです。構造計算書の偽造が発覚したマンションやホテルの検査を担当したイーホームズ株式会社は、2006年6月9日に指定が取り消されました。2017年1月1日現在、24の機関が国土交通大臣指定の指定確認検査機関として指定されています。 指定機関の一覧は国土交通省のホームページなどで確認できます。また、地方整備局長指定又は都道府県知事指定の指定確認検査機関については、日本建築行政会議のページで確認できます。

 

建築確認と不動産投資信託

建築確認と不動産投資信託には、直接関係がないようにも思えますが、実際には、この事件が発覚してから、不動産投資法人各社は、投資している物件において、姉歯建築設計事務所の関与がなかったかどうかの確認を急ぎ、その報告をホームページで行いました。投資家は、自分が投資している不動産投資法人が保有する個別の物件名までは覚えていないことが多いものですが、気づかぬうちに偽造物件の間接的保有者になってしまうというリスクも全くないとは言えません。

不動産投資信託には価格変動のリスクや流動性リスクなど、金融商品としてのリスクだけでなく、投資法人の運営にあたって、投資法人の役員が不正を働いた場合や、運用会社不動産管理会社などファンドの運営にかかわる関係者が不正を行うことによっても、投資家が不利益を被る可能性があり、これらを総じてファンドの関係人に関するリスクと呼んでいます。今回のような構造設計所の偽造なども、この関係人に関するリスクの一つであると言えます。

不動産投資信託の基本