不動産投資信託の投資口価格の変動要因
不動産投資信託の投資口価格(株価と呼ばれることもあります)は、ファンドに対する需要と供給で決まります。これが一般の投資信託と大きくことなる点です。
株式投資信託や公社債投資信託のような(非上場の)証券投資信託では、ファンドが投資している株式や債券などの価格が上昇したり下落することによって、ファンドの基準価額は変動します。
一方、不動産投資信託では、株式の発行済株式数に相当する発行済投資口数は一定で、株式と同じように、ファンドに対する投資家の需要と供給により投資口価格は変動します。より多くの投資家がファンドを購入すれば、ファンドの投資口価格は上昇し、一方で、より多くの投資家が売ろうとすれば、ファンドの投資口価格は下落します。この受給は不動産市況、不動産賃貸市場の動向、金利や経済見通し、各ファンドの運用成績に対する期待など様々な要因の影響を受けます。
保有不動産の影響
不動産投資信託が投資しているビルや商業施設などの不動産の価格の上昇や下落は、ファンドの投資口価格に直接影響を与えません。保有するビルなどの価格が上昇して、不動産投資信託がそのビルを売却した際に売却益が発生した場合には、他の保有ビルの売却損益と合算されて、投資家に支払われる分配金に反映されることになります。ただし、保有している不動産の価格の下落を嫌気して、投資家がその不動産投資信託の売却に動くことになれば、売り(供給)が増えることでファンドの投資口価格は下落することになります。