米国優先リートとは
投資信託の投資対象の一つに米国優先リートがあります。米国優先リートは、米国で上場されている不動産投資信託(REIT)が発行する優先証券のことです。REIT(リート)が資金調達のために発行します。英語ではREIT Preferred Stocksと呼びます。Preferred Stockは優先株のことです。
米国の不動産投資信託の業界団体であるNAREIT(全米不動産投資信託協会)のデータによると、優先リート(緑色の部分)の資金調達額は2010年以降では25億ドルから110億ドル程度で推移しています。
(グラフ:NAREITのデータを基に投信資料館作成)
優先リートの特徴
一般に優先リートには次のような特徴があります。
- 優先リートに支払われる配当は、普通リートに優先して支払われる。
- 発行体が清算される場合、残余財産の分配は普通リートに優先して支払われる。
- 優先リートの配当は、額面に対する割合(%)で固定されている。
- 優先リートには議決権は与えられない。
- 普通リートに比べると発行額が少なく、流動性は相対的に低い。
- 値動きは普通リートに比べると相対的に小さい。
- 発行から一定期間経過後、発行した側が額面で償還する権利を持つ。
優先リートの例
リンクをクリックするとニューヨーク証券取引所の価格情報ページに移動します。
- CROWN CASTLE INTERNATIONAL CORPORATION 6.875% MANDATORY CONVERTIBLE PREFERRED STOCK
- VEREIT, INC. 6.70% SERIES F CUMULATIVE REDEEMABLE PREFERRED STOCK
- SENIOR HOUSING PROPERTIES TRUST – 5.625% SENIOR NOTES DUE 2042
- DIGITAL REALTY TRUST, INC. 6.625% SERIES C CUMULATIVE REDEEMABLE PERPETUAL PREFERRED STOCK
優先リートのベンチマーク
優先リートのベンチマークの一つに「S&P U.S. Preferred REIT Stock Index」があります。同インデックスは米国の優先リート市場全体の動向を示す指数で、2018年9月28日現在、優先リート86銘柄で構成されています。
この他にもMSCIREIT Preferred IndexやFTSE NareitPreferred Stock Indexが公表されています。
優先リートを投資対象とする投資信託
配当利回りが相対的に高いことから、優先リートを投資対象とする投資信託が設定・運用されています。
- 米国優先リートファンド15-12(ヘッジ有り)
- 米国優先リート・ファンド2016-06(為替ヘッジあり)
- 優先リート・オープン(為替ヘッジあり)イールド・スター・オープン・円シフト
- 優先リート・オープン
- 米国優先リートオープン(毎月決算型)(為替ヘッジあり)
- 米国優先リートオープン(毎月決算型)(為替ヘッジなし)
- DIAM米国優先リートファンド<為替ダイナミックヘッジ>
- 東京海上・US優先リートオープン(為替ヘッジなし)Uリート
- 米国優先リートファンド(為替ヘッジなし)
- パインブリッジ米国優先リートファンド
- 東京海上・米国優先リートファンド(為替プレミアム)(愛称:プレミアムリート)