日本の不動産投資信託(J-REIT)市場
日本に不動産投資信託市場が創設され、第1号ファンドが東京証券取引所に上場したのが2001年9月10日。それから13年以上が経過し、2015年5月20日現在、51本の不動産投資信託が東京証券取引所に上場しています。
J-REITの保有者
では、何人くらいの人がJ-REITを保有しているのでしょうか。東京証券取引所が2014年12月2日に公表した「上場不動産投資信託証券(REIT)投資主情報調査(2014年8月)」によると、不動産投資信託の総投資主数は、2014年8月現在、53万2,412人(延べ人数)で、そのうち個人・その他が約51万 人(95.8%)と、投資主の大部分を占めています。なお、当時の上場不動産投資信託数は45本でした。
政府・地方公共団体 | 0 | 0.0% |
都銀・地銀 | 1,183 | 0.2% |
信託銀行 | 471 | 0.1% |
生命保険会社 | 242 | 0.0% |
損害保険会社 | 97 | 0.0% |
その他の金融機関 | 1,714 | 0.3% |
証券会社 | 919 | 0.2% |
事業法人等 | 9,937 | 1.9% |
外国法人等 | 7,786 | 1.5% |
個人・その他 | 510,063 | 95.8% |
合計 | 532,412 | 100.0% |
投資家の保有口数
では、不動産投資信託の投資家は、どのくらいの口数を保有しているのでしょうか。所有数別では、1口-4口を所有する投資主が31万2千人(58.8%)と最も多 く、次いで10口-49口が9万9千人(18.7%)、5口-9口が9万7千人(18.3%) の順となっています。
所有者別の投資口数
投資主の数では個人投資家が圧倒的に多いのですが、これを所有者別の投資口数で見ると状況は大分変わり、信託銀行が約42%と最も多くなっています。
政府・地方公共団体 | 0 | 0.0% |
都銀・地銀 | 1,851,013 | 5.1% |
信託銀行 | 15,194,471 | 41.9% |
生命保険会社 | 856,762 | 2.4% |
損害保険会社 | 198,138 | 0.5% |
その他の金融機関 | 598,747 | 1.7% |
証券会社 | 684,572 | 1.9% |
事業法人等 | 3,992,378 | 11.0% |
外国法人等 | 8,828,357 | 24.4% |
個人・その他 | 4,018,177 | 11.1% |
合計 | 36,222,615 | 100.0% |
しかし、実際には、都銀・地銀及び信託銀行の投資口数を合計した約1,700万口のうち約75%の1,280万口は投資信託による保有で、約3%は年金信託分なので、個人投資家を中心にした投資家が投資信託や年金を通じて保有している不動産投資信託であると考えられます。つまり、これらと個人・その他の11.1%を合計すると、不動産投資信託市場の半分程度は、直接・間接的に小口の個人投資家によって支えられている市場であることがわかります。信託銀行以外では、外国法人等が約24%と大きな存在であることがわかります。
なお、調査で使用された投資主数及び投資口数は、各調査対象REITの2014年8月31日以前に到来した最終決算期現在の投資主名簿に基づき算出した数値です。また、投資主数については、REIT間の名寄せを行うことができないため、全REIT合計の算出にあたっては、各REITの投資主数を単純に合算した「延べ人数」が用いられています。そのため、1 人で10 銘柄保有している投資主は、全REITの合計において10 名の投資主としてカウントされています。