不動産投資法人のライツ・オファリングとは?


REIT(不動産投資信託)

不動産投資法人のライツ・オファリングとは?

ライツ・オファリングは、不動産投資法人(不動産投資信託)の資金調達の手法の一つで、新投資口予約権の無償割り当てを利用した増資のことです。株式の新株予約権の無償割り当て増資に相当するものです。日本語では新投資口予約権(rights=ライツ)無償割当と言います。

 

ライツ・オファリングの仕組み

ライツ・オファリングでは、不動産投資法人が、既存の投資主に対して新投資口を購入できる権利(新投資口予約権)を無償で割り当てます。新投資口を得たい投資主はこの権利を行使して現金を払い込み新投資口を取得します。このとき払い込まれた現金により不動産投資法人は資金を調達します。

一方で、新投資口を得たくない投資家は、新投資口予約権の権利を放棄する、あるいは制度上では売却することも可能となっています。また、投資法人は、新投資口予約権を東京証券取引所に上場することも可能です。

不動産投資法人のライツ・オファリングは、2013年に施行された投資信託及び投資法人に関する法律の改正により可能になった資金調達手法ですが、不動産投資法人の業界団体である不動産証券化協会によると、2018年6月末現在、これまでに実際にライツ・オファリングを実施した不動産投資法人はありません。

 

不動産投資法人の資金調達方法

不動産投資法人の資金調達には、上記のライツ・オファリングのほかにIPO、公募増資、第三者割当増資、投資法人債の発行、金融機関からの借入があります。

借入を除く資金調達状況を見ると、公募増資が主力であることがわかりますが、全体としての資金調達額は2013年の1.3兆円から2017年には約6,650億円程度に半減しています。

(データ:不動産証券化協会)