S-REITとは
S-REITはシンガポール証券取引所に上場している不動産投資信託(REIT)のことです。日本の不動産投資信託がJ-REITと呼ばれるように、シンガポールのREITはS-REITと呼ばれています。ちなみに香港のREITはH-REITと呼ばれています。
2017年10月末現在、シンガポール証券取引所には39本のS-REITが上場しています。
S-REITの種類
日本のリート同様に、S-REITも、投資対象資産により分類することができます。S-REITには、産業用リート、住宅リート、商業リート、オフィスリート、ホテル&リゾートリート、ヘルスケアリートに特化したリートがあります。また、特定のタイプに特化しないで複数のタイプの不動産に投資する複合型のリートもあります。
また、投資対象地域で見ると、シンガポール国内の不動産に的を絞って投資するリートが多いものの、香港に投資するリート、中国に投資するリート、日本、インド、ドイツの不動産に投資するリートなどもあります。
日本の不動産に投資するS-REIT
- Saizen REIT(T8JU)・・・日本の住宅用不動産に特化したリートです。100%日本の不動産で運用されています。
- Parkwaylife Real Estate(C2PU)・・・シンガポール、マレーシア、日本に投資するリートです。日本への投資割合は約36%(2017年10月現在)、投資対象はヘルスケア施設です。
最も売買高の高いS-REIT
2017年10月現在、最も売買が活発に行われているシンガポールを代表するリートは次の3本です。
- Ascendas Real Estate Investment Trust (A17U)・・・産業用リートです。ほとんどをシンガポール国内の不動産に投資していますが、一部をオーストラリアと中国の不動産にも投資しています。
- Capitaland Commercial Trust(C61U)・・・オフィス特化型リート。運用は100%シンガポール国内の不動産で行われています。
- Capitaland Mall Trust(C38U)・・・商業施設特化型リート。運用は100%シンガポール国内の不動産で行われています。
S-REITへの投資
2017年10月現在、日本の証券会社を通じて購入できるシンガポールのREITはかなり限られています。シンガポールのREITについては、グローバルREITファンドと呼ばれる世界のREITに分散投資するタイプの投資信託に組み込まれていることがあります。
ファンドにシンガポールのREITが組み入れられているかどうかは、目論見書や運用報告書で調べることができます。また、運用報告書の組入銘柄の明細のセクションを見ると、国別に組入銘柄の銘柄名(ファンド名)、組入口数、期末時点での評価額(外貨建て・円建て)、組入比率などが掲載されており、どの程度S-REITが組み入れられているかを調べることも可能です。