不動産市場安定化ファンドとは
2009年9月5日に「不動産市場安定化ファンド」が設立されました。不動産市場安定化ファンドは、資金調達が困難になっているJリート(不動産投資信託)に対して資金供給を行なうことで、投資法人債の償還リスク等を軽減するとともに、買い手としての機能を回復させることを目的に官民一体となって組成されたファンドです。つまり、不動産市場の安定化のためにJリートへの資金供給の充実を目的として設立されたファンドということです。
不動産市場安定化ファンドが設立された背景:
サブプライム問題や2008年9月のリーマン・ブラザーズの破綻により、世界的規模での金融市場の混乱と信用収縮により、償還を迎える債券のための資金調達が困難になるなど、Jリートにとっては資金が逼迫する状況が生まれました。
Jリートは、不動産市場において重要な買い手であり、資金難から保有不動産を売却せざるをえない状況になると、日本の不動産市場に大きな打撃を与えることが予想されました。このため2009年4月10日に政府が発表した経済危機対策において、住宅・土地金融の円滑化対策として「官民一体となったファンドの創設や日本政策投資銀行等によるJリートへの資金供給の充実」が盛り込まれました。
これを受け、国土交通省に行政・有識者・市場関係者で構成する「不動産市場安定化ファンドの設立・運営に関する検討委員会」が設置され、計4回にわたる審議を経て、2009年9月5日に不動産市場安定化ファンドの設立に至りました。
⇒国土交通省:不動産市場安定化ファンドの設立・運営に関する検討委員会について
不動産市場安定化ファンドの仕組み
不動産市場安定化ファンドは、金融機関からのシニアローン、日本政策投資銀行からのメザニンローン、関係業界各社からの出資により資金を確保し、これをJリート(不動産投資信託)に貸し付けます。
融資期間は原則3年以内とされています。これまでに数件の不動産投資法人が不動産市場安定化ファンドを活用しており、HPなどで利用の目的や金額、期間などが公表されています。