新興国に投資する投資信託は、先進国に投資する投資信託よりリスクが高いと言われるのはなぜ?


新興諸国に投資する投資信託のリスク

海外に投資する投資信託には様々なリスクがありますが、同じ海外に投資する投資信託でも、新興諸国市場(エマージング・マーケット)に投資する投資信託は、先進国に投資する投資信託よりリスクが高い傾向にあります。それは、新興諸国市場は先進国の市場と比較して、相対的に流動性が低い、政治的リスクが高い、情報が少ないなどの理由のためです。

流動性

新興諸国市場の株式市場は、先進国の市場と比較して動性が低い傾向にあります。流動性が低いと、買いたい株式を買いたい価格で、買いたいタイミングで購入することが難しい、あるいは売りたい株式を売りたい価格で、売りたいタイミング売ることが難しいことがあります。これを金融市場では流動性リスクと呼びます。

政治的リスク

新興諸国市場では、政権の交代や経済的混乱などにより、資本・為替取引が突然規制されたり、資産が没収されるなどといった状況に陥るといった政治的リスクがより高い傾向にあります。

情報が少ない

運用会社は世界的なネットワークを駆使して、世界規模での情報収集・分析を行なっていますが、それでも、先進国に関する経済、金融、政治情報と比較すると、新興諸国市場に関する情報は限られる傾向にあります。

このように、新興諸国市場への投資にはより高いリスクが伴いますが、一方で、新興諸国は先進国よりも高い成長が期待できるといった魅力を持ち合わせています。投資はハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンが原則であるということをきちんと理解して、自分の投資目的にあった投資先を選択しましょう。