投資信託の基準価額を変動させる要因となるリスクにはどのようなものがありますか?


投資信託のリスク

投資信託基準価額を変動させる要因となるリスクには次のリスクがあります。

 

価格変動リスク

組入証券(株式や債券など)の価格が変動することにより、投資信託の基準価額が影響を受けるリスクです。組入れ証券は毎日、その日の時価で値洗い(時価評価)されますので、実際には、売買を行っていなくても基準価額は変動します。

 

流動性リスク

組入れ証券の流動性が悪化することにより、容易に売却できなくなったり、相当悪い価格でないと売却できなくなったりするケースです。また、組み入れを予定している証券の入手が困難となったり、高い値段でないと買えないということも流動性リスクに含まれます。

 

信用リスク

信用リスクとは、組み入れ証券を発行した会社が倒産するなどして債務不履行に陥って利金収入が滞ったり、元本が返済されなかったりするリスクです。

 

カントリーリスク

発展途上国などに投資した場合には、その国が政治的・経済的要因からデフォルト(債務不履行)に陥る危険性があります。また、その国の、証券市場が機能しなくなって流動性に問題が出るということもあります。90年代には、タイ、韓国、インドネシアの金融システムが連続して破綻したことによりカントリーリスクへの対応が重要視されています。

 

為替リスク

海外資産に投資する投資信託において、外国為替レートが変動することによって(外貨建て資産に変動がなくても)、基準価額が影響を受けるリスクです。たとえば、ドル・ベースでの運用資産の価値が1000ドルで一定であっても、為替レートが円安になると基準価額の上昇要因となります。

反対に、円高になると基準価額の下落要因となります。為替がドル高・円安方向に動いていると、高利回りの外貨建て資産に投資して為替益も期待しようと考える投資家がふえているようですが、長期的なドル・円為替レートの推移を見てみると、以前として円高傾向に変わりありません。また、外国為替レートは、株式以上に動きが激しいので、外国の資産に投資する投資信託を購入の際には、為替リスクをどのように回避する方針なのかを目論見書などで確認することが重要です。