株式ファンドの流動性リスクとは?


流動性とは

「流動性」とは、金融商品等の「換金のしやすさ」のことをさします。

したがって、流動性リスクとは、株式や債券、その他金融商品などを現金化する際に、換金することができない、また、換金することができたとしても、不利な条件でしか換金できず、その結果として不利益を被る可能性を指します。

 

株式投資信託の場合

株式投資信託の場合、組み入れている株式を換金するためには、一般的には、証券取引所を通じて、株式を売却する必要があります。そして、取引所での取引では、売りたい側と買いたい側の条件が合致して、はじめて売買が成立することになります。

たとえば、現在ある銘柄の株式の価格が250円で成立していたとします。この場合でも、250円で、今から、換金できるということを表しているわけではありません。購入側と価格や株数の条件が合致しなければ、売却することはできないのです。

特に、一時期に大量の株式を売却して、これを換金しようとすると、その取引条件に応じる相手方があらわれず、結果として、250円よりも安い価格でしか売却できない、また、値幅制限などによって、場合によっては取引そのものが成立しないといったことが起こる可能性があります。

 

流動性リスクの違い

日本の株式であれば、小型株や店頭株の方が一部上場銘柄より流動性は低いと言えます。したがって、小型株や店頭株ファンドに投資するファンドの方が、一部上場銘柄を投資対象とするファンドより流動性リスクは高くなります。

また、海外の株式市場では、アジアや南米などの新興諸国市場の方が米国やイギリスといった先進国の株式市場よりも流動性リスクが高い傾向にあります。したがって、新興諸国市場に投資するファンドの方が先進国に投資するファンドより流動性リスクは高いと言えます。

一般に、「流動性が高い」という場合、換金しやすく、流動性リスクが低いことを、「流動性が低い」という場合、換金に困難を伴い、流動性リスクが高いことを表しています。