信託金限度額とは
投資信託の信託金限度額とは、その投資信託の総額の上限のことです。正式には信託された金額の合計(=元本を元に算出)です。信託限度額は設定時に投資信託ごとに定められており、約款に記載されています。
信託金限度額の規模
信託金限度額は、ファンドにより異なりますが、一般的にアクティブ運用の投資信託では、数千億円程度に設定していることが多いようです。小型株や店頭株等を投資対象とする場合は、100億~200億円程度に少なく設定されている場合もあります。
他方、限度額が大きくても運用能力に問題がない場合には、信託金限度額を無制限としているファンドもあります。2008年頃、国内で最大の投資信託である「グローバル・ソブリン・オープン」では、信託金限度額を10兆円としていました。
また、2020年2月末現在、国内最大の投資信託である「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」(2020年2月末現在の純資産総額は約1.1兆円)は、信託金限度額を4兆円(2020年3月24日現在)としています。
信託金限度額の変更
信託金の限度額は、運用会社(委託会社)と受託会社が合意すれば、変更することが可能です。
変更には金融庁への届出や約款の変更といった正式な手続きが必要となります。そのため、ファンドの規模が大きくなり、信託金限度額に達しそうになると、運用会社は募集を一時停止し、信託金限度額の引き上げを金融庁に届け出ることになります。このような手続きを回避するために、一部のファンドでは、ファンドが最初に設定される時点で信託金の限度額を無制限としている場合もあります。
また、投資対象市場の流動性、運用能力、ファンドの適正規模等の観点から、信託約款を変更せず、上限に達した時点で募集を中断し、再び純資産総額が減少した時点で募集を再開することもあります。