運用報告書とは
投資信託の運用報告書は、受益者(投資信託の購入者)に対して、ファンドの運用成績や運用経過などの情報を開示、報告するための文書です。運用期間中および償還時に、委託会社(投資信託の運用会社)が作成し、販売会社を通じて受益者に交付されます。
投資信託法に、「投資信託委託業者は、その運用の指図を行う投資信託財産について、内閣府令で定めるところにより、当該投資信託財産の計算期間の末日ごとに、運用報告書を作成し、かつ、当該運用報告書を当該投資信託財産に係る知られたる受益者に対して交付しなければならない」と定められています。よって、委託会社は、計算期間の末日ごと、つまり1年の計算期間のファンドについては1年ごと、6ヵ月の計算期間のものについては6ヵ月ごとに運用報告書を作成します。ただし、計算期間が半年未満のファンドについては、半年毎(MRFは1年毎)に作成されます。
運用報告書には何が書いてある?
運用報告書とは、受益者に対して、ファンドの運用成績や経過等の情報を開示、報告するための文書です。運用期間中の投資環境、運用成果、今後の見通し、損益の状況など受益者が知りたい情報が盛り込まれています。また、期中の約款変更についても記載されています。
運用報告書の主な記載内容は下記の通りです。
- 運用実績
設定以来の各期末および当期中の毎月末の基準価額などが記載されています。
- 運用経過および今後の運用方針
当期の運用状況について市況環境と合わせて解説され、今後の運用方針について説明されています。
- 株式売買金額の平均組入株式時価総額に対する割合
売買高比率が記載されています。これは、期中の株式売買金額合計を平均組入株式時価総額で除したものです。売買高比率が高いということは株式売買委託手数料も多くかかっていることになります。
- 主要な売買銘柄
運用の主要対象としている株式や債券などの有価証券について、売買金額の大きかった銘柄が記載されています。
- 組入有価証券明細表
期首と当期末(決算日現在)に組み入れている有価証券(個別の株式や債券の銘柄や保有数)の明細が記載されています。
- 損益状況
ファンド全体の収益・損失を配当等収益、有価証券売買損益、先物取引等取引損益等に分けて記載されているので、どのような項目から収益が上がったのかがわかります。