留保益とは
留保益という言葉は、投資信託の目論見書や販売用資料の収益分配方針の説明のときによく出てくるので、投資家にとって大変気になるところだと思います。
簡単に説明すると、留保益とは、今期計上した収益のうち、今期は投資家(受益者)に分配しないことにした額ということです。運用によってファンド資産が値上がりした場合、分配可能な金額の内訳は利子や配当および有価証券の売買益で、これには評価益も含まれます。
収益分配
「収益分配を行う」とは、かならずしも「上がった額」をすべて支払うという意味ではなく、分配はあくまでもファンドの方針や運用会社の方針によって決められます。最近では、必ずしも分配が多ければいいわけではない-たとえば、今後も保有したい値上がり銘柄をわざわざ売却して現金化して分配を行うというのはナンセンスだ-という考え方も多くなってきたようです。
このように、留保益とは分配可能額の内、今期分配をしないと決めた相当額であり、一般的には来期以降も元本部分と合わせて運用されることになります。こういう場合、目論見書の分配方針においては、「留保益の運用については特に制限を設けず、委託会社の判断に基づき、元本部分と同一の運用を行います」等と書かれています。