金利先渡取引とは、どのような取引ですか?


金利先渡取引とは

金利先渡取引という言葉は、投資信託目論見書の中では投資方針の中に出てきます(ファンドにより異なります)。例えば、「金利先渡取引の指図は次の範囲で行うものとします」等と書かれ、その後に範囲についての説明が続きます。

金利先渡取引とは、基本的に金利先物取引と同じですが、いくつか重要な違いがあります。

第一に、金利先渡取引は取引所ではなく店頭で行なわれます。つまり、先物のように取引所を通して取引を行なうのではなく、銀行などを相手に取引を行ないます。

第二に、多くの場合、金利先渡取引には証拠金はありません。金利先物は、取引当初に証拠金を差入れ、日々値動きで発生する損益によって、キャッシュフローが発生します。すなわち、先物契約を建てたままでも、日々利益が発生すればキャッシュとして受け取ることができ、損失はキャッシュで支払わなければなりません。

一方先渡取引の場合、通常証拠金制度はなく、また損失や利益は、契約の最終的な決済までキャッシュフローにはなりません。これは信用リスクの観点から、先物取引と先渡取引に大きな違いを与えます。先物取引は、いわば日々決済されており、評価損益は存在しません。したがって、取引に発生する信用リスクはほぼ0です。一方先渡取引では、評価損益は契約の清算日まで決済されず、評価益の生じている方は取引相手がディフォルトした場合、その評価益分だけ取りはぐれることになりますから、信用リスクを伴う取引であると言えます。これは先渡契約の価格に、しばしば影響を与えます。

第三に、金利先渡取引は店頭取引ですから、清算日など、取引に係わる双方が合意すれば、自由に設定することができます。

 

金利先渡取引の仕組み

金利先渡取引の取引の仕組みは、基本的に金利先物取引と同じです。呼び値は金利でなされ、清算は差金決済で行われます。