豪州債券ファンドとは
オーストラリアの債券に的を絞って投資する投資信託(ファンド)を豪州債券ファンドやオーストラリア債券ファンドと呼びます。
オーストラリアの国債や事業債だけでなく、オーストラリア以外の国の企業や国際機関が豪ドル建てで発行する債券も投資対象としている投資信託も多く、そのようなファンドは一般に豪ドル債券ファンドと呼ばれます。豪州債券ファンドや豪ドル債券ファンドは、相対的に高い利回りが魅力とされており、日本の投資信託の公社債の外貨建て資産の中では約17%(2017年12月末現在)と米国に次ぐ高い構成比率となっています。
(データ:投資信託協会)
豪州債券の種類
豪州の債券は国債、政府機関債、準政府債、国際機関債、事業債、ABSなどに分類することができます。
国債
オーストラリア連邦政府が発行する債券です。格付は最高格付AAA(2011年2月24日現在、スタンダード・アンド・プアーズによる)が付与されており、安全な投資対象と考えられています。
政府機関債
オーストラリアの政府関連機関が発行する債券で、政府保証があります。
準政府債
オーストラリアの6つの州(ニューサウスウェールズ、ビクトリア、クイーンズランド、ウェスタン・オーストラリア、サウス・オーストラリア、サスマニア)と1つの準州(ノーザン・テリトリー)が各州の理財公社を通じて発行する債券です。
国際機関債
世界銀行、アジア開発銀行等の国際機関が豪ドル建てで発行する債券です。
事業債
オーストラリアの企業が発行する債券やオーストラリア以外の国の企業が豪ドル建てで発行する債券です。
ABS
住宅ローンや自動車ローンなどの債権などの資産を裏付けとして発行される資産担保証券です。
豪州債券ファンドのリスク
他の債券ファンドと同様に、豪州債券ファンドのリスクは、主にファンドが組み入れている債券の信用度と平均残存期間に依存します。各社が運用している豪州債券ファンドや豪ドル債券ファンドを見ると、組み入れている債券の平均格付はAAAやAAなどかなり高い平均格付が維持されていますし、ほとんどのファンドが組み入れ債券の格付を一定以上のものに制限したり、ファンドの平均格付をAAなど一定以上に維持することを投資方針としています。
為替リスク
豪州債券ファンドには為替リスクが伴います。豪ドルの対円での為替レートを見ると、90年代は全般に円高傾向が続き、2000年のはじめに1豪ドル60円を下回る円高を付けた後は、豪ドル高・円安に転じましたが、2008年にはリーマンショックの影響、オーストラリアの景気減速懸念などにより大幅に下落しました。その後は、経済成長、海外からの投資増加、商品市況の上昇、低い地政学的リスク、相対的に高い金利などが豪ドルの回復を支えていると言われています。