カントリーファンドとは
特定の国または地域の有価証券に的を絞って投資することを目的として外国で設立されたクローズドエンド型の会社型の投資信託をカントリーファンドと呼びます。カントリーファンドは、証券取引所に上場され、個人投資家でも株式のように売買することが可能です。
カントリーファンドは、かつては大阪証券取引所に上場していましたが、2013年7月16日付けで東京証券取引所と大阪証券取引所の現物市場が統合されたのを受け、以後、東京証券取引所に上場されるようになりました。
なお、2019年4月4日に「モルガン・スタンレー・アジア-パシフィック・ファンド・インク 外国投資証券」が上場廃止になって以降、東京証券取引所に上場しているカントリーファンドはありません(2020年7月20日現在)。
カントリーファンドの仕組み
一般の追加型株式投資信託などは、ファンドの委託者である運用会社と受託者(信託銀行)との間で締結される信託契約から生じた受益権を細分化した受益証券を、投資家が購入するという形式の投資信託で、契約型と呼ばれる投資信託です。
一方、カントリーファンドのように会社型の投資信託は、投資法人を設立し、その投資法人が発行する投資口を投資家が購入するという形式をとります。カントリーファンドのほかに、東京証券取引所に上場されている不動産投資信託(J-REIT)やベンチャーファンドなども会社型の投資信託です。
また、カントリーファンドは発行者が投資家の請求による解約に応じる保証をしていないクローズドエンド型の投資信託です。そのために、解約による資産の急減などの影響を受けずに、安定的な運用が可能であるということが利点としてあげられています。したがって、投資家にとっては、基本的には中途で解約することはできない商品ということになりますが、カントリーファンドは証券取引所に上場されているので、取引所を通じ受益証券(または、投資口)を売却することで、換金することができるようになっています。
カントリーファンドの例
2005年頃には、大阪証券取引所では「ザ・コリア・ファンド」「ザ・スペイン・ファンド」「ザ・ジャーマニー・ファンド」「コリア・エクイティ・ファンド」「モルガン・スタンレー・アジア-パシフィック・ファンド」「テンプルトン・ドラゴン・ファンド」の次の6本のカントリーファンドが上場していました。
各ファンドの投資目的など
ザ・コリア・ファンド (銘柄コード 8676) | |
投資目的 | 韓国企業の証券、主として持分証券への投資を通じて、長期のキャピタル・ゲインを目指す。 |
運用会社 | ドイチェ・インベストメント・マネジメント・アメリカズ・インク |
ザ・スペイン・ファンド (銘柄コード 8678) | |
投資目的 | 主にスペイン企業の有価証券に投資することにより、長期的な資本増加を追求する。 |
運用会社 | アライアンス・キャピタル・マネジメント L.P. |
ザ・ジャーマニー・ファンド (銘柄コード 8680) | |
投資目的 | ドイツ企業の株式もしくは株式関連証券への投資を通じて、長期にわたる資本の値上がり益を追及する。 |
運用会社 | ドイチェ・アセット・マネジメント・インターナショナルGmbH |
コリア・エクイティ・ファンド (銘柄コード 8681) | |
投資目的 | 韓国企業の持分証券への投資を通じて長期の資本値上がり益を追及する。 |
運用会社 | 野村アセットマネジメント株式会社 |
モルガン・スタンレー・アジア-パシフィック・ファンド (銘柄コード 8682) | |
投資目的 | 主にアジア・太平洋地域の発行者の株式等持分証券に投資することにより、長期にわたる資本の増加を追及する。 |
投資方針 | モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント・インク |
テンプルトン・ドラゴン・ファンド (銘柄コード 8683) | |
投資目的 | 中華系企業並びに日本を含むアジア太平洋地域の企業で中国の経済発展から恩恵を受けるとみなされる企業の持分証券に対する証券投資を通じて長期の資本値上がり益を追及する。 |
運用会社 | テンプルトン・アセット・マネジメント・リミテッド香港支店 |