エマージング・ボンド・ファンドとは?


エマージング・ボンド・ファンド

エマージング・ボンド・ファンドとは、アジア、中南米、東欧・ロシアなど新興諸国市場の債券を主な投資対象とする投資信託のことです。

エマージング(emerging)とは新興諸国のことで、エマージング・ボンドとは新興諸国の債券を意味します。新興国債券ファンドとも呼ばれます。

 

投資対象債券

エマージング・ボンド・ファンドが投資対象とする債券は、ファンドにより異なります。新興諸国の政府や政府機関が発行した債券(政府機関債)を投資対象としているファンドもあれば、新興諸国の企業が発行する債券を投資対象とするファンド、その両者を投資対象とするファンドがあります。前者のことをエマージング・ソブリン・ファンドと呼ぶことがあります。

また、投資対象とする国や地域もファンドにより異なります。東欧・ロシアや中南米など特定の地域の債券に的を絞って投資するタイプのファンドもあれば、世界中の新興諸国の債券に分散投資するタイプのファンドもあります。世界中の新興諸国の債券に分散投資するファンドは、一般にグローバル・エマージング・ボンド・ファンドとも呼ばれています。

更に、投資する債券の信用度もファンドにより異なります。取得時において投資対象の債券の格付けをCCC相当以上などと制限を設けているファンドもありますし、組入れ後のポートフォリオ全体の平均格付について、例えば、BB以上を維持するといった方針を定めるなど、信用リスクを抑えるための方策を講じているファンドが多く見られます。

また、通貨別の組入れを見ても、現地通貨建ての債券を中心に投資しているファンドもあれば、米ドル建てのエマージング・ボンドを中心としたファンドもあり、ファンドの中身は多種多様です。

 

エマージング・ボンド・ファンドの魅力とリスク

新興諸国の債券に投資する魅力は、先進国の債券よりも高い利回りが期待できることが挙げられます。これは、信用リスクが高い分だけ新興諸国の債券の利率が、先進国の債券の利率よりも高いためです。一方で、新興諸国の債券投資には、カントリーリスク信用リスク流動性リスク政治リスク為替リスクなどが様々なリスクが伴い、しかもこれらは先進国に投資する場合よりも高い傾向にあります。したがって、エマージング・ボンド・ファンドへの投資はハイリスク・ハイリターンであると言えます。

 

エマージング・ボンド・ファンドの例

また、東京証券取引所に上場している「上場インデックスファンド新興国債券(銘柄コード:1566)」も、エマージング・ボンド・ファンドの一例です。同ETFは、新興諸国の国債に分散投資し、ブルームバーグ・バークレイズ自国通貨建て新興市場国債・10%国キャップ・インデックスへの連動を目指します。