国際株式型欧州型のファンド
国際株式型欧州型の投資信託は、投資信託の業界団体である投資信託協会が平成20年12月まで採用していた投資信託の商品分類の一つで、「約款上の株式組入限度70%以上のファンドで、主として欧州の株式に投資するもの」とされていました。平成21年以降においても、一部の評価会社や運用会社等においては、この分類を利用しているところもあります。
現在は、上記の商品分類は採用されていませんが、国際株式型欧州型の投資信託、あるいは欧州株式型の投資信託と言えば、欧州の株式を主な投資対象としている投資信託と考えればよいでしょう。かつては、この分類のファンドには、ドイツ、イタリア、フランスなど、欧州の特定の一国に投資するタイプのファンドが多くありました。しかし、最近は一つの国に集中投資するファンドは減り、一方で、欧州全体に分散投資するファンドが多くなっています。欧州統一通貨ユーロの導入など、欧州の経済統合が進んでいることがその要因として挙げられます。
欧州株式に投資するファンド
同じ欧州株式に投資するファンドといっても、実際に投資対象とする国や国別の投資配分はファンドにより異なります。欧州の代表的な国々に分散投資するファンドもあれば、ドイツ、スイス、英国など、欧州の特定の国1カ国に投資するファンドもあります。また、欧州では、イギリスの「AIM」、ドイツの「ノイア・マルクト」、フランスの「ヌーボー・マルシェ」、「イースダック」といった新興・ベンチャー企業向けの市場が、この数年大きく成長しており、これらの新興市場に投資を行うファンドも多く存在しています。ベンチャー市場への投資は、大きな成長が期待できると同時に、業績が不安定であったり、流動性が低いなどの理由から大きな値下がりのリスクも伴います。
また、欧州型のファンドの中には、東欧などの途上国を主な投資対象としているファンドもあります。同じ欧州でも東欧の株式市場は、より高い成長が期待できる一方で、欧州連合加盟国の市場と比較すると、市場が未成熟なために流動性が低く、株価の変動も大きいという特徴がありますので注意が必要です。また、他の海外の資産に投資するファンドと同様に、欧州株式ファンドにも為替リスクがともないます。ユーロ加盟国については、ユーロ建てで投資が行われるので、ユーロ加盟国に投資するファンドでは、ユーロの対円での変動による影響を受けることになります。その他の国ついては、イギリスであればポンド建てのように、各国の通貨建てでの投資となり、それぞれ対円での変動による為替リスクが伴います。