ファンド・オブ・ヘッジ・ファンズとは
複数のヘッジファンドに分散投資するファンド・オブ・ファンズをファンド・オブ・ヘッジファンズ(Fund of Hedge Funds)と呼びます。
高い運用力を持ったヘッジファンドに運用を任せると同時に、複数のヘッジファンドに分散投資し、ヘッジファンドへの投資リスクを分散効果によって抑えることが可能となる商品であると言われています。しかし、一方で、コストが高い、ディスクロージャーが不十分であるといった指摘もあり、一般の個人投資家にとって適当な商品かどうかは不透明です。
ヘッジファンドとは
ヘッジファンドというのはミューチュアル・ファンドのように米国(あるいは日本など)の法律で定義された金融商品の分類ではありません。株式会社、投資会社(investment company)、証券会社のように米国の連邦法によって規制を受けない様々な形態の投資ファンドを指す言葉として利用されています。ヘッジファンドは通常、課税を回避するために、米国外にリミテッド・パートナーシップとして設立されていますが、米国で活動するヘッジファンドの場合は、Investment Company Act of 1940やSecurities Act of 1993等における適用除外条項を利用して設立することで、様々な法律・規制の提供を免れています。そのため、ミューチュアル・ファンドにおいて制限されているショート・セリングやデリバティブ取引を活用することが可能となるなど運用面での規制がありません。したがって、様々な法律の適用除外条項を利用して設立されることで、どの法律の規制も受けないファンド=ヘッジファンドとして理解することも可能です。
IOSCO(証券監督者国際機構)が2017年11月に公表した世界のヘッジファンド業界のサーベイ「Report on the Fourth IOSCO Hedge Funds Survey」によると、サーベイの対象となったヘッジファンド業界の運用残高は2年前に比べて24%増加して約3.2兆ドルに達したということです。
日本におけるファンド・オブ・ヘッジファンド
ファンド・オブ・ヘッジファンズは、日本では主に機関投資家向けに販売されている商品ですが、個人向けの証券投資信託でも、SG償還時元本確保型ファンド(単位型公社債投資信託)のように間接的にファンド・オブ・ヘッジファンズに投資するタイプのファンドがあります。