ハイ・イールド債券ファンドとは
高い利率の債券(ハイ・イールド債券)に的を絞って投資を行ない、相対的に高い利金収益(インカムゲイン)の獲得を目指す投資信託を一般にハイ・イールド債券ファンド、ハイ・イールド・ボンド・ファンド、高利回り債券ファンド、高金利ファンドなどと呼びます。高いリスクをとってでも、高いインカムゲインを追求したい投資家向けの商品と位置付けられます。
ハイ・イールド債券ファンドは、主に①新興国のソブリン債券に投資するファンド、②先進国のハイ・イールド社債に投資するファンド、③新興国の通貨建てで国際機関などが発行する債券に投資するファンドなどがあります。
①新興国のソブリン債券に投資するファンド
新興国のソブリン債券は信用リスク、国内の高いインフレ率、流動性リスクなどを反映して総じて高い利金を提供しています。国の債務償還能力を示すソブリン格付けを見ると、先進国ではほとんどがAAAやAAなどの上位の格付けを付与されているのに対し、新興国については多くがBBやBといった低い格付けが付与されています。新興国のソブリン債券に投資するファンドは、このような相対的に低い格付けが付与されている国の発行する債券に投資することで、リスクをとってでも高い利回りの獲得を目指します。
②先進国のハイ・イールド社債に投資するファンド
先進国の金利水準は一般に低い水準に抑えられており、先進国の国債、政府関連債券、社債からはあまり高い利金収入は期待されませんが、財務状況のあまりよくない企業や新興企業などが発行するコーポレート・ハイイールド債券と呼ばれる格付けの低い社債が存在しています。このような債券に的を絞って投資するタイプもハイ・イールド債券ファンドと呼ばれます。
③新興国の通貨建てで国際機関などが発行する債券に投資するファンド
新興国の政府が発行する債券は、先進国の政府の発行する債券に比べて格付けが低い傾向にありますが、国際機関が新興国の通貨建てで発行する債券はAAAなどの高格付けの債券が多く存在しています。これらの債券への投資は、新興国通貨の高い金利を享受できる一方で、新興国が発行する国債に比べると信用力の高い格付を有しており、相対的に高い利回りと高い信用力を併せ持つ債券だと位置づけることができますが、このような債券に投資するファンドもハイ・イールド債券ファンドと言えます。