高金利債券ファンドとは?


高金利債券ファンド

高金利債券ファンドとは、金利が高い債券に的を絞って投資を行い、相対的に高い分配金収益(インカムゲイン)の獲得を目指す投資信託のことです。具体的にどの地域のどのような種類の債券に投資するかはファンドにより異なりますが、一般的に高金利債券という場合、次のような債券を指します。

  1. 金利が高い国の債券
  2. 一国の中でも、相対的に金利が高い債券

 

 1.金利が高い国の債券

金利が高い国というのは、他の国と比べてインフレが進んでいて、金利が高い水準にある国のことです。2016年現在では、先進国の金利はマイナス金利を含め極めて低い水準にありますが、主に途上国等では高い金利の国が多く見られます。また、主に先進国で構成されるOECD(経済協力開発機構)加盟国の中でも、次の表のように各国の金利にはかなりの差が見られます。

 

【OECD加盟国の金利見通し】

2016

2017

国名

%

%

トルコ 10.241 10.038
南アフリカ(OECD非加盟国)
9.373 9.373
ギリシャ 8.090 5.879
インド(OECD非加盟国)
7.625 7.250
メキシコ 6.260 6.835
アイスランド 5.870 5.872
チリ 4.465 4.700
ハンガリー 3.283 3.503
ニュージーランド 3.180 3.555
ポルトガル 3.143 3.215
ポーランド 2.972 3.071
オーストラリア 2.478 2.678
イスラエル 2.215 3.023
米国 2.184 2.993
英国 1.888 2.803
韓国 1.877 2.302
スペイン 1.601 1.579
イタリア 1.521 1.531
カナダ 1.492 2.251
ノルウェー 1.450 1.645
スロベニア 1.431 1.387
スウェーデン 0.999 1.315
アイルランド 0.785 0.765
デンマーク 0.713 0.775
ベルギー 0.597 0.552
フィンランド 0.576 0.564
スロバキア 0.569 0.570
フランス 0.527 0.487
チェコ 0.477 0.477
オーストリア 0.430 0.377
ルクセンブルグ 0.398 0.356
オランダ 0.396 0.379
ドイツ 0.167 0.138
日本 -0.061 -0.100
スイス -0.245 0.100

(長期金利、2016年8月21日現在、出所:OECD http://stats.oecd.org/Index.aspx?QueryId=51652)

 

金利が高い国の債券への投資では、高い金利収益を獲得できることが魅力です。しかし、一方で、これらの国の多くは、経済が不安定であったり、インフレが問題になっていたり、あるいは政治的にも不安定であるなど、様々な問題を抱えていることが多くあります。そのため、債券が債務不履行になるリスクも高いということを認識しておくことが大切です。したがって、このような債券に投資するタイプの投資信託についても、相対的にリスクの高い商品であると言えます。

 

2.一国の中でも相対的に金利の高い債券

債券の金利は、同じ国の中でも、発行する機関によって異なります。債券には国が発行する債券(国債)、優良企業が発行する社債、新興企業や財務内容のあまりよくない企業の発行する債券などがあります。また、世界銀行やアジア開発銀行などの国際機関が特定の国の通貨建てで発行する債券などもあります。

同じ国の中でも、高い金利の債券に投資するファンドは、国債や優良企業の社債に投資するファンドに比べるとリスクは高くなる傾向にあります。中でも、ジャンク債と呼ばれる信用力の低い企業の発行する債券に投資するファンドにおいては、投資対象が先進国の企業であっても、リスクは高い投資対象です。

 

高金利債券ファンドの魅力

高金利債券ファンドの魅力は、ファンドが高金利債券から得る高い金利収入を原資として、相対的に高い分配金が得られることにあります。分配の頻度はファンドにより異なります。