インカムファンドとは?


インカムファンド

インカムファンドとは

投資信託のファンド名に「○○○インカムファンド」や「○○○インカムオープン」のように「インカム」という言葉が含まれているファンドがあります。これらのファンドは、一般にインカムファンドと呼ばれる投資信託ですが、どのような特徴の投資信託でしょうか。

なお、インカムは英語のincomeのことで、所得、収益、定期的な収入と訳されます。

 

投資信託の価格の上昇要因には、大きく分けて次の2つがあります。

①投資している株式からの配当金や債券からの利息の受け取り

②投資している株式や債券の値上がり

投資の世界では、①をインカムゲイン、②をキャピタルゲインと呼びます。

 

一般にインカムゲインは、保有する資産から定期的に得られる収入(インカム)のことを指し、株式の配当や債券の利息以外にも、預貯金から得られる利子収入や不動産投資から得られる賃料収入などもインカムゲインになります。

インカムゲイン=保有する資産から定期的に得られる収入

 

これらの保有資産から得られる安定的で継続的な収入(インカム)の獲得を主な目的とした投資信託のことをインカムファンドと呼びます。

 

債券に投資するインカムファンド

債券に投資するタイプのインカムファンドであれば、債券に投資することで、債券から利息を定期的に獲得し、それを原資に受益者に定期的に分配金を支払います。分配金が支払われる頻度はファンドにより異なります。年1回、年2回、年4回、年6回、年12回(毎月)のファンドがあります。

 

株式に投資するインカムファンド

株式に投資するタイプのインカムファンドであれば、安定的に配当金を支払う会社の株式に投資することで配当金を受け取り、その獲得した配当金を分配金という形で、投資信託の投資家に分配します。分配の頻度はファンドにより異なりますが、年1回、または年2回が主流です。

 

主なインカムファンドの種類

 ①債券ファンド

債券に投資して、利息収入を原子として、投資家に安定的に分配金を支払うファンドです。基本的には債券ファンドは全てインカムファンドだと考えることができます。投資する債券の種類や国・地域はファンドにより異なります。相対的にリスクの高い途上国の債券や新興企業の債券に投資することでリスクを取りながらも高い利息収入を狙うタイプもあれば、先進国の国際や優良企業の社債に投資し、リスクを抑えながら安定的な利息収入の獲得を目指すタイプもあります。

なお、安定した分配金の支払いを目指していても、分配金の支払いは保証されているものではありません。また、分配金の額も、同じ金額が継続するわけではなく、金利環境により変動します。実際、日本をはじめとする先進国における低金利の影響で、債券ファンドの多くが分配金の支払い額を引き下げています。

 

②株式インカムファンド

安定的かつ継続的に、そして相対的に高い配当を支払っている企業の株式に投資することで相対的に高い配当収入の獲得を目指す株式ファンドです。ファンドが受け取った配当収入を原資として、ファンドの購入者に安定的に分配金を支払います。このようなインカムファンドを高配当株式ファンドと呼ぶこともあります。

 

③MLPファンド

米国のMLP(Master Limited Partnership)に投資し、相対的に高い配当収入の獲得を目指すファンドです。為替リスクが伴いますが、為替ヘッジを行うファンドもあります。

MLPとは?

 

④REITファンド

不動産投資信託(REIT)に投資して、REITからの相対的に高い分配金収入を原資として投資家に高い分配金を支払うタイプのファンドです。国内の不動産投資信託に投資するタイプのファンドと海外の不動産投資信託に投資するタイプがあります。また、東京証券取引所に上場しているETFの中にも、不動産投資信託に分散投資するタイプのものがあります。

 

⑤ローンファンド

ローンファンドは、高い金利収入を得ることを目的として、銀行やその他の金融機関が企業に実施したローンに投資し、ローンの受け手が支払う利息をファンドの保有者に対する分配金の原資としています。

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