短期債券ファンドとは
残存期間が1年~3年程度の短期債券を主な投資対象とするファンドを、一般に短期債券ファンドと呼びます。
国内の短期債券を投資対象とするファンド、米国の短期債券を投資対象とするファンド、ユーロ建ての短期債券を投資対象とするファンド、世界中の短期債券に分散投資するファンドなどがあります。
短期債券ファンドは、リスクをあまり取りたくないものの、日本の銀行預金金利よりは高いインカムゲインを望む投資家向けの商品として位置付けることができます。
短期債券ファンドの特徴
短期債券ファンドの特徴としては、短期債券を投資対象とするほかに、比較的高い格付の公社債を投資対象としていることが挙げられます。ほとんどの短期債券ファンドが、購入時の公社債の格付あるいは保有公社債の平均格付けを一定水準以上とすることを投資方針の中で定めており、その水準はA格相当以上、あるいはBBB格以上などと投資適格債券の格付けとしていることが一般的です。
海外の短期債を投資対象とするファンドの中には、格付けの低いエマージングカントリー(新興諸国)の短期債券を投資対象としているファンドもありますが、組入比率をファンド全体の5パーセントや10パーセント未満などと制限を加え、更に、ファンド全体の平均格付けに下限を設けることでリスクが抑えられています。
また、主に海外の短期債券に投資するファンドにおいては、国債や社債に加えて、モーゲージ証券やアセットバック証券などの資産担保証券を投資対象に加えることで、リスクを抑えながらも、より高いインカムゲインの獲得機会を目指すものがあります。
海外の短期債券に投資するファンドでは為替リスクが伴いますが、為替リスクをヘッジするファンドとそうでないファンドがあります。しかし、為替をフルヘッジすることで、リスクを抑えつつも国内の短期金利プラスアルファのリターンの獲得を目指すファンドの方が多く見られます。
短期債券ファンドのベンチマーク
ベンチマークとしては、国内の短期債券を投資対象とするファンドでは、NOMURA-BPI総合(NOMURAボンド・パフォーマンス・インデックス総合)や日興債券パフォーマンスインデックス(総合・短期)などが採用されており、一方、米国の短期債を投資対象とするファンドでは、米ドル1ヶ月ものLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)などが採用されています。