アクティブ型とインデックス型
投資信託は、その運用方法の違いからから、「アクティブ型」と「インデックス型」に大別されます。
アクティブ型は、指標となるベンチマークを上回る投資成果を目指すファンドです。ファンドマネージャーが業績見通し、市場動向、景気などを分析・予測しながら組み入れる銘柄やその比率を決定します。
一方で、インデックス型は、株価指数のように目標となる特定のベンチマークの値動きへの連動を目指すファンドです。基準価額がベンチマークに連動するように設計・運用されており、ファンドマネージャーの判断が銘柄選択や配分に影響を与えることはありません。一般に、インデックス型ファンドでは、ベンチマークの構成銘柄の全て、あるいは代表的な銘柄群を、ベンチマークの構成比率と同じ比率で保有することで、ベンチマークとの連動を図ります。
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TOPIX連動型ファンド
このインデックスファンドの中でも、東証株価指数(TOPIX)に連動した値動きとなることを目標としたものをTOPIX連動型ファンドと呼びます。投資信託協会では、2008年12月まで採用していた商品分類において、「約款上、株式への投資に制限を設けず、TOPIX指数に連動する運用成果を目指すもの」をTOPIX連動型ファンドとして定義していました。現在は、東証株価指数への連動を目指すファンドを一般にTOPIX連動型ファンドと呼んでいます。
東証株価指数(TOPIX=Tokyo Stock Price Index)は、東京証券取引所が算出・公表している株価指数で、東証市場第一部全銘柄の時価総額が、基準時の時価総額と比べてしてどのくらい増えたか減ったかということを通じて市場全体の株価の動きを表すものです。現在では、東証株価指数への連動を目指すインデックスファンドの総称としてTOPIX連動型ファンドが使われています。
TOPIX連動型ファンドの特徴
TOPIX連動型ファンドは、基準価額が東証株価指数に連動するように設計・運用されているファンドですから、東証株価指数が上昇すればファンドの基準価額は同程度上昇し、東証株価指数が下落すれば基準価額は下落します。TOPIX連動型の投資信託の良し悪しは、TOPIXに対してどれだけ高い連動率を維持しているかで決まります。連動率が100%に近いほど、よいファンドであるといえます。TOPIX連動型ファンドに分類されていながら、TOPIXを大きく上回ったり、大きく下回ったりしている動きをしているようなら、ファンドはその目的通りに運用されていないということを意味しています。
注意しなければいけないことは、ファンドの目的はあくまでも株価指数との連動にあるため株価指数が下がっているからといってファンドマネージャーが株式の組入比率を下げてリスクを回避することはないということです。業績の良い企業の株式を多く組入れることも、業績が悪いからといって組入比率を引き下げるといったことは行われません。
TOPIX連動型ファンドを含めインデックスファンドには、信託報酬や売買委託手数料といった投資家が間接的に負担するコストが低く抑えられているという特徴があります。信託報酬が低く抑えられているのは、インデックスファンドでは、運用のためにアナリストによる会社訪問や各種調査活動、エコノミストによるマクロ分析などが必要とされないためです。また、証券会社に支払う株式の売買委託手数料についても、インデックスファンドはほとんど組入証券の売買を行わないため低く抑えられています。コストを低く抑えながら、効率的に市場と同程度のパフォーマンスを期待したい投資家向けのファンドであるといえます。