一帯一路とは
一帯一路は、中国が提唱し、中国・アジア・ヨーロッパ・アフリカ地域で大規模に進められている経済圏構想のことです。
一帯一路構想では、中国を起点として、中央アジア、ロシア、そしてヨーロッパを通りイタリアのベニスまでの陸路をシルクロード経済ベルト「一帯(One Belt)」と呼び、中国泉州市からマラッカ海峡を経てケニアのナイロビを結び、そこからアテネを通ってベニスに至る海路を21世紀海上シルクロード「一路(One Road)」と呼びます。中国は、主導的にこの巨大経済圏を構築し、そこに関わる国や地域とゆるやかな経済協力関係を構築するという壮大な国家的戦略を進めています。
この一帯一路のことを英語で、One Belt One Roadと呼びます。略称としてはOBORが使われることがあります。
一帯一路の始まり
一帯一路構想は、中国の習近平総書記が2013年にカザフスタンやインドネシアを訪問した際に提唱したものです。その後、2014年11月に中国で開催されたアジア太平洋経済協力首脳会議(APEC首脳会議)において、習近平総書記が正式にAPEC加盟国に提唱したことで実現に向けた国際的な動きがスタートしました。
2018年現在、すでに、中国を起点とする膨大な道路網、鉄道網が敷かれ、巨大な物流施設が一帯に建設され、世界中から物資やバイヤーが集まっています。一帯一路の現状等については、次の中国政府のHP で知ることができます。
一帯一路に投資するETF
この一帯一路の発展による恩恵を享受しようとするETFがニューヨーク証券取引所ARCAに上場しているETF「KRANESHARES MSCI ONE BELT ONE ROAD INDEX ETF 」です。ティッカーコードはOBORです。
「KRANESHARES MSCI One Belt One Road Index ETF」は、MSCI Global China Infrastructure Exposure Indexをベンチマークとして、同指数への連動を目指します。設定されたのは2017年9月7日で、経費率は0.80%(年)です。運用・管理会社はKrane Funds Advisors, LLCです。
MSCI Global China Infrastructure Exposure Indexは、中国の一帯一路の発展により恩恵を受ける途上国の上場企業で構成される株価指数です。
「KRANESHARES MSCI ONE BELT ONE ROAD INDEX ETF 」の国別の構成比率を見ると、2017年12月末現在、中国の構成比率が46%と最も高く、次いで、シンガポール11%、マレーシア8%、イスラエル7%、タイ6%、フィリピン5%の順となっています。組み入れ銘柄数は91銘柄です(2017年12月末現在)。