投資を始めてみたいけど、どこから何を始めればよいかわからない、投資しているけど、行き当たりばったりでこれでいいのか不安。そんな方も多いと思います。今回は、ジェレミー・シーゲル博士の「株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド(Stocks for the Long Run)」の最後に、シーゲル博士が、これらに基づけば、初心者でも経験豊富な投資家でも、各自の投資目標をこれまで以上にうまく達成できるだろうと言っている6つの原則を紹介します。ただ、シーゲル博士が同著の中で投資対象にしているのは米国の株式市場ですから、その点は日本市場に置き換えてご自分で検討するなどしてみて下さい。詳細は「株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド」(日経BP)をお読みください。
- 自らの期待を過去の範囲内にとどめること。過去のデータでは、200年間のインフレ調整済み株式利回りは6.8%で、株価収益率(PER)平均は約15倍で売られていた。
- 株式利回りは短期よりも長期のほうがはるかに安定している。時を経るにつれ、株式は債券と異なり、投資家にインフレ上昇分を埋め合わせてくれる。それゆえ、投資家の保有期間が長くなるほど、純資産のより多くの割合を株式に投資すべきである。
- 株式ポートフォリオの大部分を、国際分散した低コストの株式指数ファンド(インデックスファンド)に投資すること。
- 株式ポートフォリオの少なくとも3分の1を国際株、すなわち米国以外の国を本拠地とする株式に投資すること。高度成長の国の銘柄は過大評価され、投資利回りもよくないことが多い。
- 過去の利回りに基づくと、割安株(バリュー株)――PERが低く配当利回りの高い株――は成長株(グロース株)よりも高利回り低リスクである。割安株のインデックスファンド、あるいは最近登場したファンダメンタル加重平均のインデックスファンドを購入して、パッシブ運用のポートフォリオを構築することで価値を追求すること。
- 最後に、自分の気持ちに負けそうであるなら、ポートフォリオを予定どおり運用するための確固たるルールを確立すること。市場についてひどく不安に感じるときは、落ち着いて、第1章と第2章をもう一度読み返してほしい。
ジェレミー・シーゲル博士は、ペンシルベニア大学大学院(ウォートン・スクール)の金融論の教授です。コロンビア大学卒業、マサチューセッツ工科大学(MIT)で経済学博士号取得。ウィズダム・ツリー・インベストメンツの上級投資アドバイザー(執筆時)。CNN、CNBC、ウォールストリート・ジャーナル、バロンズ、フィナンシャル・タイムズ等のメディアにもたびたび登場し、市場関係者の注目を集めるエコノミストです。ジェレミー・シーゲル博士のホームページアドレスはhttp://www.jeremysiegel.com/。