三井住友DSアセットマネジメント株式会社は、インベストメント・チェーンの一翼を担う責任ある機関投資家として、顧客への質の高い資産運用サービスの提供とサステナブルな社会の実現への貢献を両立させることを目指している。
同社は、自然関連の財務情報開示に関するイニシアティブである自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures「TNFD」)に賛同し、同タスクフォースが推奨するガイダンスの受入れ機関(TNFD Adopter)としての登録手続きを完了したと2024年1月12日に発表した。
三井住友DSアセットマネジメントは、TNFD提言受け入れの背景について次のように説明している。
2022年4月に公表した当社のマテリアリティでは、資産運用業務におけるマテリアリティに「自然資本」、事業会社としてのマテリアリティには「環境に配慮した事業運営」が含まれています。当社は、TNFDは気候変動におけるTCFDのように、自然資本関連情報開示のグローバルスタンダートとなる可能性が高く、今後、投資先企業に対してTNFDに基づく開示の充実を促す立場にある当社自身の受け入れは必須と考えました。
TNFDの概要 (TNFD HPコンテンツより三井住友DSアセットマネジメント作成)
2020年7月、自然に関連する財務開示に関するタスクフォースを結集するためのイニシアティブが発表され、TNFD は2021年6月に発足し、G7、G20、および他の影響力あるリーダーからグローバルに支持されました。 社会・経済は自然資本に依存しており、近年自然資本が劣化していることはグローバル経済のリスクに繋がるおそれがあります。TNFD支持の背景には、企業がこれらリスク・機会に十分対応していないことがあります。企業は、1.自然の保全・回復のための行動を起こし、ビジネスや財務のリスクを減らすこと、2.このためのビジネス革新と民間資金を動員することで、新たな商業機会と競争上の優位性の主要な源泉とすること、が求められます。 TNFDは、ビジネスと資本市場の意思決定者に対して、企業が自然資本関連の質の高い情報を提供することを目指しています。自然資本関連の質の高い情報は、ビジネスが戦略的計画、リスク管理、資産配分の意思決定に自然に関連するリスクと機会を組み込むのを助けます。投資家やその他の資本提供者の手に質の高い情報があれば、グローバルな資本の流れを自然と社会にとってよりポジティブな結果にシフトさせるのに役立ちます。TNFDの最終的な目標は、グローバルな金融流れを自然ネガティブな結果から自然ポジティブな結果にシフトさせることです。 2023年9月に公表されたTNFDの開示提言正式版は、企業の持続可能性報告のためのグローバルな基準と一致し、昆明-モントリオール グローバル生物多様性フレームワークのグローバルな政策目標とも調和しています。TNFDの開示フレームワークには、1)自然に関連する開示のための概念的な基盤、2)一般的な要件、3)ガバナンス、戦略、リスクおよびインパクト管理、指標と目標、が含まれています。これは、TCFDおよびISSBのIFRS基準のアプローチと一致しています。 |
自然資本に対する三井住友DSアセットマネジメントのアプローチ
自然資本に係る取り組み方針は、以下の3つ。
- 自然関連課題への影響が大きい業種を主な対象に、エンゲージメントを通して開示の充実、環境負荷低減の取り組み強化を促す
- 自然関連課題の対応状況を当社独自のESG評価に反映し、投資判断の一要素として考慮する
- 情報開示に不足感があり、かつ対話において改善の意思・方向性等が確認できない場合は取締役選任議案に反対票を投じることを検討する
三井住友DSアセットマネジメントは次のように述べている。
当社は、責任ある機関投資家として、TNFDが提唱する開示提言に従い投資先企業等の「自然資本」に関する情報開示に向けた取り組みを支援し、ひいては企業価値を向上させる取り組みを進めてまいります。